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小室哲哉×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)インタビュー



小室哲哉×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介) 対談 インタビュー

 TM NETWORK~trf、globe、安室奈美恵、篠原涼子、華原朋美、鈴木あみなど数えれないほどのトップスターとヒット曲を手掛けてきた稀代の音楽プロデューサー・小室哲哉。そんな雲の上の存在であった小室哲哉とavex松浦社長に憧れ、スタジオのしがない店員からアイドルシーンに伝説を残したBiS、そして現在はBiSHやPOPなど様々なグループを同時進行でプロデュースしている松隈ケンタ&渡辺淳之介。

 小室哲哉からBiSHへの楽曲提供を受け、かつては有り得なかった三者対談を実現! 前述したアーティストたちの話もフォーカスしつつ、双方の共通点/相違点も探りつつ、松隈ケンタ&渡辺淳之介が小室哲哉&avex松浦社長のような存在になれるのか? 最終的にジャッジしてもらう歴史的瞬間インタビュー。音楽やエンターテインメントが好きな者であれば必読のエピソード&アドバイスばかりなので、ぜひご覧頂きたい。

BiSH運営の夢「松隈さんが小室哲哉で、僕が松浦社長みたいに」

--何故この3人の対談を実現するに至ったのか? その理由でもある、渡辺さんが小室さんに楽曲提供をオファーした経緯から聞かせて下さい。

渡辺淳之介:僕は元々エイベックスが大好きでして、僕が小学生の頃はそれこそ小室さんの曲しか聴いていないぐらいの感じだったので、もうずっと憧れの存在だったんです。なので、僕の音楽人生の中でいつか小室さんに何かお願いできたらなと思っていて。そしたら、今回エイベックスからBiSHがメジャーデビューすることになって、小室さんと部署が近いということで「この機会にお願いできるかもしれない」というところで、満を持してオファーさせて頂いたという経緯です。

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲左から:小室哲哉/渡辺淳之介
松隈ケンタ

小室哲哉:ただ、ジャンルが違ったんですよね。

渡辺淳之介:そうですね(笑)。BiSHはパンクロックというか……

小室哲哉:オルタナというか。

松隈ケンタ:僕が元々ロックバンドをやっていたので、それで実はエイベックスさんから一度メジャーデビューさせて頂いているんですけど、ロックばっかりやっている中でアイドルのサウンドプロデュースを始めたので、そういう音楽性だったりするんです。

--そんなチームからオファーがあった訳ですけど、小室さんはBiSHというアイドルグループのことは知ってました?

小室哲哉:メジャーデビュー前ということで、そのときは知らなかったです。まだこれからのグループでしょ?

渡辺淳之介:そうですね。

--その中で「earth」という楽曲を制作/提供するに至ったのは?

小室哲哉:制作のチームが近かった、というのが一番大きいですかね。これが遠いと僕のところまで届かなかったりもするんですよね。話が途中で止まっちゃったりして。でも今回は間に入っていたチームが近かったからちゃんと届いて「良いんじゃないの?」っていうことですぐ動きました。

渡辺淳之介:ありがとうございます!

小室哲哉:で、音はアレンジですごく変わってるんだけど、でもメロディーは「あ、僕っぽいな」って思ってもらえるというか。

--ザッツ小室哲哉でしたね。

小室哲哉:それを上手く生かしてもらっていて良かったなって思いました。

--松隈さんからすると、小室哲哉の楽曲をサウンドプロデュースするってプレッシャーもあったと思うんですけど……

BiS / survival dAnce ~no no cry more~
▲BiS / survival dAnce ~no no cry more~

松隈ケンタ:いや、もうオファーを受けて頂いた時点で結構ビビってて。

一同:(笑)

松隈ケンタ:あと、以前、BiSHの前にBiSというグループもやっていたんですけど、そのときにTRFさんの「survival dAnce ~no no cry more~」を実はカバーさせて頂いたことがあったんです。で、今回はせっかくメジャーデビューのタイミングだし、小室さんが絶対やらない方向へと「行けるところまで行ってみたいな」と思いまして、シンセを全く入れないような極端なロックサウンドに仕上げてみたいと思ったんです。

小室哲哉:BPMもすごく上がってるんですけど、あんまり違和感もなくて。

松隈ケンタ:ありがとうございます。デモを聴かせて頂いたときに、もうメロディーラインが本当に小室さんだったんですよ。それが凄いな!って思いまして……

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲小室哲哉

小室哲哉:それしか出来ないっていうのもあるんだけど(笑)。

松隈ケンタ渡辺淳之介:いやいやいやいや!

松隈ケンタ:僕もいろんな人のデモとか頂くんですけど、メロディーだけで「この人の曲だ」って分かるのは凄いんですよ。なので、今回の「earth」に関しては、僕のアレンジ部分をどれだけ強く出しても、小室さんらしさは消えないなって思ったんです。

--普通はあそこまで派手にアレンジしたら「誰の曲だか分からない」ってなるはずなんですけど、小室さんの曲はどうアレンジしても全然消えないっていう。


▲BiSH/earth

松隈ケンタ:それは本当に凄いなって、作曲家として思いました。

小室哲哉:僕からすると、そう言ってもらえることは新鮮ですね。あんまりそうやって聴き比べたことがないから。あと、この曲は歌詞もハマってますよね。ちゃんと聴こえてくるというか、ちゃんと耳に入ってくる。

渡辺淳之介:ありがとうございます!

--「earth」の作詞は渡辺さんですが、何を意識して書かれたんでしょう?

渡辺淳之介:僕が青春時代に聴いてきた小室さんの歌詞を……今、BiSHのファンは大学生とかも多いので、その世代にも聴いてもらいたいなと思って……あの……ちょっとずつ変えながら引用させてもらってます。

一同:(笑)

--たしかに引用的なフレーズがありましたよね。

globe / 「FACE(20th Special Edit Version)」
▲globe / 「FACE(20th Special Edit Version)」

渡辺淳之介:僕がずっと好きだったフレーズを引用させてもらってます(笑)。それを僕が聴いていたのは小学生時代だったんですよ。子供だから「どういう意味なのか分からないな」って部分もあったんですけど、今、30代に入って改めて聴いてみると「あ、こういうことを伝えたかったんだなぁ」って分かるようになったというか。

--当時、globeを聴いていたのも小学生の頃?

渡辺淳之介:小6ぐらい。

小室哲哉:今、業界とかメディアで活躍している人たちって、当時、小中学生だった人がすごく多いですよね。あと、僕がその時代のglobeの歌詞を書いていた頃もちょうど30代だったんですよ。そのときの感覚で若い人たちに向けて書いていたのでね。

--ゆえに渡辺さんも今聴いて再発見があったのかもしれないですね。

小室哲哉:もっと昔、渡辺美里さんのプロデュースをしていた人が、僕はまだ当時24歳か25歳ぐらいだったんだけど、「まだわかんないかもしれないけど、10年後に分かるよ」って言われたことがあって。なので、そういう話を聞くと僕はその頃のことを思い出すし、それがずっと繰り返されてるんだなって思います。

--繰り返されていると言えば、小室哲哉とエイベックスの出逢い、松隈ケンタと渡辺淳之介の出逢いもリンクするかもしれません。2人は小室さんと松浦社長のような存在を夢見て動き出したんですよね?

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲渡辺淳之介

渡辺淳之介:そうなんです。僕はとにかく音楽業界に入りたくて、それこそエイベックスもそうですし、片っ端から受けたんですけどどこも決まらなくて。とりあえず音楽に関われる場所で何かしらの足がかりを見つけようと思って、池尻大橋のリハーサルスタジオで働き出したんです。そのときに、そこでバイトをしていた松隈ケンタと出逢ったんですよ。

松隈ケンタ:それまで僕は九州でずっとバンドをやってて、エイベックスからデビューするときにメンバーと一緒に上京したんです。でも3年で活動停止になっちゃったんで「バイトしなきゃ」と思ってスタジオでバイトしてたら、渡辺淳之介と出逢って。で、その頃、僕は作曲家を目指したいと思っていて、店番しながら曲を作ってたんですよ。

渡辺淳之介:その松隈ケンタの曲を聴かせてもらっているうちに「松隈ケンタの楽曲で、僕がプロデュースをして、何かしらやりたい」って思うようになって。で、僕、エイベックスの試験を受けるときに『avex way』っていう本を読みなさいって言われて読んだんですけど、松浦社長と小室さんがダンスカルチャーをメインストリームに上げていく為にタッグを組んだ話がそこには載ってて、それに感化されて「松隈さんが小室哲哉で、僕が松浦社長みたいになれるところまで目指したい」っていう話をいつも飲みながら話していたんです。

松隈ケンタ:まだ何の実績もないのに!

一同:(笑)

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「とにかくトップを目指したい」女の子ばかりが集結した小室ファミリー

--小室さんと松浦さんが出逢ったのは、エイベックスが町田で輸入盤を取り扱っていた頃ですよね? デイブ・ロジャースによる『TMN SONG MEETS DISCO STYLE』を発売したり。

小室哲哉:当時の松浦社長はバックパッカーみたいな感じで、いつもレコードと資料を持ち歩いていて。その頃は洋楽しか取り扱ってなくて、海外で盤を買って日本に供給するっていうメインの仕事があって、だから最初は邦楽を取り扱うつもりは全くなかったんじゃないかな? ただ、彼がレンタルレコード屋さんで働いていた時代、TM NETWORKの「Get Wild」をみんなが借りていく状況を見て「なんでこればっかり借りていくんだろうな?」って思っていたみたいで、それがちょうど彼のツボにハマったのかもしれないね。そんな中、出逢うんですけど、当時は僕のほうが教えてもらうことが多くて、彼がテクノに傾倒していたこともあって「ワンフレーズ、最初のフックだけでヒットを出す事は出来ますよ?」とか、その時代に合ったアドバイスをいろいろしてくれましたね。

TM NETWORK / Get Wild(TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-)
▲TM NETWORK / Get Wild(TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-)

--それで波長が合ったと。

小室哲哉:僕もTM NETWORKの頃から、イントロがあって「はい、Aメロです」みたいなことはやりたくなかった人で、イントロがそのまま流れていって自然とAメロになってる。洋楽ではあたりまえなんですけど、そういった手法でやりたかったので、そういった部分でも共感したり、彼もバックトラックを大切にするっていうところも大きかったかもしれないね。

松隈ケンタ:だから洋楽ライクなサウンドになっていたんですね。

小室哲哉:そういうちょっと他とは違うもののほうが出し易かったのかもしれない。だから誰も「これはヒットしないんじゃないか」とか言わなかったし、むしろそっちのほうが良かったっていう感覚。「サビが大事」とか、そういう感じじゃなかった。あとは、とにかく本当に動いてくれましたね。僕のほうが業界的には10年ぐらい先輩だったりもするので、「何が何でもタイアップがないと難しいよ」とか「どうにか音楽番組に出ようよ」とか、そういう無理難題に対しても動いてくれた。制作会社とかスポンサーさんのもとへ毎日通ってましたよ。タイアップ獲れるまで数ヶ月にわたって毎日通い続ける。ここ数年で聞いた話だけど、「毎日通ってると獲れるんだよ」みたいなことは言ってました。

一同:(笑)

小室哲哉:「またいるのかよ?」ってなるのかもしれない。

渡辺淳之介:「もう分かったよ!」ってなるんですかね(笑)?

小室哲哉:それで決まった曲は10曲近くあるんじゃないかな? 僕の知らないところで、足で獲りに行ってくれていたんだと思います。

--松隈さんの曲を世に広める為に、渡辺さんがいろんなアプローチをし続けている話と通ずる部分もあるんじゃないですか?

BiSH / DEADMAN[OFFICIAL VIDEO]
▲BiSH / DEADMAN[OFFICIAL VIDEO]

松隈ケンタ:元々アイドルを手掛けたかった訳でもないですからね。

小室哲哉:今回の音を聴いても「女性のグループがやりたい」って感じでもないのかなって思ったけど、実際そうじゃないんだね。ひとつの手段なのかな?

松隈ケンタ:そうですね。ちょっと言い方悪いですけど、数年前に「今、アイドルに乗っかったら面白いんじゃないか?」っていう提案を受けた形だったんです。で、僕はアイドルシーンのこととか全然分からないので、渡辺淳之介がアイドルシーンにいろいろゴリゴリと仕掛けていってくれている。という部分では似てるかもしれないなって思いますね。

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲松隈ケンタ

渡辺淳之介:僕の中では「松隈ケンタと仕事がしたい、松隈ケンタをとにかく売りたい」っていう想いが先行してるんですけど、でも誰も知らないインディーズの世界から始めたこともあって、まずはアイドルが一番手っ取り早く……

一同:(笑)

小室哲哉:でもそうなんだよね。楽曲とか音だったりを広めるときは、指示通りにいろいろやってくれる女の子たちのほうが……男性はやっぱりエゴが強いんでね、どうしても自分の主張が出てきがちなので、根幹の部分が崩れちゃうケースもあるんですよね。その人の歌詞とかアイデンティティによって。そういう面では、女性のほうが組みやすかったりする。メロディーや楽曲や音にちゃんとフォーカスしてもらえる可能性が高くなるので、ひとつの正攻法ではあるんだよね。

--TM NETWORK/TMN終了後に女性アーティストをたくさんプロデュースするようになった流れと、今の話はリンクする部分もありますか?

小室哲哉:TMの場合は、話が変わるというか、宇都宮くん(vo/宇都宮隆)はすごく稀有な存在で、男性ボーカリストなんだけれども、「如何に楽曲を生かすか」っていうことを考えるボーカリストなんだよね。「アイツに歌わせるとこうなっちゃうんだよね」っていうのが全くないタイプ。あと、多くの女性アーティストをプロデュースするようになった頃は、みんな上昇志向というか、とにかく「上に、上に」「とにかくトップを目指したい」っていう気持ちが途轍もなく強かったので、同時に負けん気も途轍もなく強かった。そういう女の子ばかりが集まっちゃった。それで良かった事もあったし、良くない事もあったんですけど、とにかく熱がありましたよね。

--では、彼女たちがスターになっていった背景には、もちろん小室さんのプロデュースによる影響はあると思うんですが、そうなれる素養が……

小室哲哉:元々あった。なので、良い意味で僕を利用しようっていう、それはもう本能的な部分であったと思います。

--BiSHメンバーからもそういったものを感じることってあります?

渡辺淳之介:……あんまりない(笑)。

--這い上がろう精神みたいなものはないんですか?

My Ixxx / BiS 新生アイドル研究会
▲My Ixxx / BiS 新生アイドル研究会

渡辺淳之介:前身のBiSっていうグループをやっていたときは、脱ぐっていう手法が……

小室哲哉:脱ぐ?

--メンバーが樹海を全裸で走るPVを作ったんですよ。

小室哲哉:へぇー!

一同:(笑)

--エロとかコントとかじゃなくアーティスティックな作風ではあったんですけど、アジア中で何百万再生とかされて、それをきっかけにアイドルシーンで有名になっていったところもあるんです。

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲小室哲哉

渡辺淳之介:とにかく「自分たちを知ってもらう為にどうしたらいいか?」っていうことを考えながら結構必死にやってたんですよね。

小室哲哉:それはどちらが提案したの?

渡辺淳之介:僕とそのPVのチームが「話題になるんだったらこれぐらいやりたい」っていう話をして。それに応えるメンバーがいたっていうのは、BiSにとっても僕にとってもすごくターニングポイントだったんです。そう考えるとBiSHは、もちろんやる気があって死ぬほど努力する娘たちではあるんですけど、僕はBiSで全裸になるぐらいの覚悟を見てきちゃっているので(笑)「もしかしたら足りないんじゃないか?」と思うけど、彼女たちは「そこまでやる必要ない」と思ってるかもしれなくて、難しいところなんですけど……

小室哲哉:ひとつの手法としては、常に僕はコンペティシブというか、ライバルを常にどこかに作る。ひとり出したら、その正反対に違うアーティストを出して、両方走らせる。そうするとお互いに気にし合うというか、それで両方がどんどん上がっていく。それは常にやっていたかもしれない。

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲左から:松隈ケンタ/渡辺淳之介

松隈ケンタ:常に意識して?

小室哲哉:意識して。

--それで結果が顕著に出たアーティストを挙げるとしたら?

小室哲哉:あの時代にデビューしたみんながそうです。

--今、渡辺さんと松隈さんはBiSHとPOPという2つのアイドルグループを走らせていますけど、今の小室さんの話と似たような意識だったりするんでしょうか?

POP「pretty pretty good」PV
▲POP「pretty pretty good」PV

渡辺淳之介:そうですね。どっちも気にしてて「あっちがそういう感じなら、こっちはこうしよう」みたいな。

小室哲哉:良い形だと思います。あと、そのうち自分がプロデュースしてる同士じゃなくてもその関係性って出来たりするんですよ。つんく♂のモーニング娘。に対する、僕がプロデュースしていた鈴木あみちゃんとか、それもまたコンペティシブな形だし、そこまで行くと我々の知らないところで凄いエネルギーが生まれるんですよね。だからスポーツと似ているところはあって、音楽は勝ち負けではないんですけど、でもどこかで「勝った!」「負けた!」はあっちゃうんですよね。ただ、それは時には必要なものなんです。よそから凄いボーカリストの人が出てくれば「うわ、やられちゃった!」って思うし、それは言い換えれば「負けちゃった!」って言葉になると思うし、そういった感覚は必要かもしれないですね。

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音楽プロデューサー時代到来~3人が届けたい音楽~「売れた」瞬間

--その点で小室さんが「負けちゃった!」と思った人は?

宇多田ヒカル - Automatic
▲宇多田ヒカル - Automatic

小室哲哉:ここ数年よく言ってますけど、宇多田ヒカルさんが出てきたときは「新しい時代が来たな」って顕著に感じました。やっぱり感覚は全然違うんだろうなと思ったし、譜割りひとつ取っても違ったし、R&Bとかヒップホップとかスラングとか生活観にそれがある音を僕らは出せないので、「次世代だな」って。そのあと日本のR&B、ヒップホップ、ソウルが一気に浸透していったし、バンドにDJがいたり、ラッパーがいたり、ダンサーがいたり、そういうことがあたりまえになっていった。

--90年代~今に至るまでの女性アーティスト/アイドルへの見解をお三方から伺いたいのですが、90年代~00年代の音楽シーンを席巻したglobeや安室奈美恵、篠原涼子、華原朋美、鈴木あみなどの小室ファミリー。渡辺さんと松隈さんはどんな印象を持たれていましたか?

渡辺淳之介:プロデューサー買いが始まった時代ですよね。「小室哲哉プロデュースだから間違いない」みたいな話をいつもしていた気がします。で、小室さんがプロデュースされていた方々のファミリーともうひとつ、ビーイングのファミリーも人気があって。

小室哲哉:長戸さん(長戸大幸)ですよね。あと、小林武史さんとか松尾潔さんとか。そこにつんく♂も加わってきて。

渡辺淳之介:そういった音楽プロデューサーの時代が到来した時期でしたよね。

小室哲哉:今だったら中田ヤスタカも凄い音楽プロデューサーだと思うし、あの時代だったらミリオン続発だったと思うんですけどね。

--小室さんたちが音楽プロデューサーとして世に出てくるまで、邦楽をプロデューサー買いで聴く習慣ってありませんでしたよね。

小室哲哉:洋楽ではあったんですけどね。僕らの世代はジャケットとかを眺めている時間が長かったから、プロデューサーのことも知っていくというか、プロデューサーの名前が大きかったんだよね。みんなそういう有名なプロデューサーに頼めるか頼めないか、「この人に頼めたら凄いんじゃないか」みたいな感覚があったと思うし。方やマドンナみたいにどんどん選んでいく。いろんなプロデューサーを選んで作品を作っていく人もいたりして。

--松隈さんもバンドからサウンドプロデューサーになった経歴の持ち主ですが、当時の小室さんのプロデュースワークにはどんな印象を抱いてました?

TRF / Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~
▲TRF / Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~

松隈ケンタ:僕が中学のときにちょうどTRFさんが全盛期で、高校ぐらいでglobeさんとかどんどん世に出てきてカラオケブームになっていって、クラスメイト、特に女の子は全員小室さんの曲を歌っていて。そんな中、僕はバンドをやっていたのでCDは洋楽ばかり買ってはいたんですけど、小室さんの曲は他の日本のアーティストと違って洋楽を取り入れている感が物凄く強かったんですよね。メロディーの譜割りの入れ方だったりとか、歌詞の入れ方とか、もちろんJ-POPではあるんですけど、洋楽っぽい要素を物凄く入れているんだなって当時から感じていましたね。逆に洋楽っぽい格好をしているバンドの方がフォーキーだったりして。

小室哲哉:メタルの人たちのほうが演歌っぽかったりね。

松隈ケンタ:そうなんですよね(笑)。だから小室さんは異質と言ったら失礼かもしれないんですけど、唯一無二だなと思ってましたし、それは今でも感じますよね。

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲手前:小室哲哉
奥左から:松隈ケンタ/渡辺淳之介

小室哲哉:それまでの歌謡曲とかって譜面にするとコード進行が激しいんですよ。4小節や8小節でやたら動いてるんだよね。メロディーに沿ってなんだけれども、でも洋楽界隈の人たちってギターをジャーン!って掻き鳴らしたりとか、バーンって鳴らしたりとか、1小節や2小節おんなじコードでも、ひとつのリフだけでも全然景色を変えていける。っていう作り方が王道というか、あたりまえだし、それでも名曲が十分に作れる。映画音楽やジャズから来ていたり、音楽理論がしっかりしている人の場合はもっと繊細なものを作っていたりするんだけど、ポップスやロックの人たちはそんなに複雑なことはしていなかった。それよりもリフやアクセントに力を入れていて。

--小室さんは「ヒットを連発した」とかそういう部分ばかりフォーカスされがちですけど、あの時代、音楽としてはどういったものを世に浸透させたいと思っていたんですか?

小室哲哉:ヨーロッパに拠点を置いていたときはやっぱりダンスミュージック、エレクトロだし、アメリカに移ってからは否応なしにオルタナティブとかヒップホップが聴こえてくるので、そういったものに流れてはいきましたけど、出来ないものは出来ないんだよね。ブラックミュージックのあのグルーヴ感とかは、同じ数値で取り入れたとしてもやっぱり違うんですよ。でも、逆に彼らは8ビートを縦に叩こうとしても跳ねてしまうというか、シャッフルしちゃう。それがまた良さだったりもするんですけど。そういった血の違いはどうしようもない部分なので、最終的には「日本人ならではのものを作っていくしかない」という結論には至りましたけどね。そこを一足飛びで超えたのがK-POPだったりで、何故か血が合ったのかもしれないですね。ハリウッドまで行けてしまったりしている。

--そのK-POPに負けじと日本の音楽シーンを席巻してきたのが、モーニング娘。、AKB48グループ、ももいろクローバーZ、そしてBiSなどのアイドルグループだと思うんですが、渡辺さん的にはどんなアプローチをここまでしてこれたなと感じていたりしますか?

BiSH/OTNK[OFFICIAL VIDEO]
▲BiSH/OTNK[OFFICIAL VIDEO]

渡辺淳之介:実はあんまりそういうことを気にしてきてなくて、とにかく「これやったら格好良いよね」とか、自分が恥ずかしくないものを出していこうっていう。それが一番にあるんですけど、やっぱりやり続けていると格好良くなるんですよね。例えば、「ももいろクローバー」って最初に目や耳にしたとき「ダサい名前だな」って多くの人が感じたと思うんですよ(笑)。でも売れていけば売れていくほど何故か名前も含めて格好良く思えるようになるじゃないですか。だから結局は自分が格好良いと思うモノをブレずにやっていく、そこは一番大事にしているところかもしれないですね。

松隈ケンタ:僕も「今、アイドルが流行ってるからそこに寄せよう」とは思わないで作ろうとしていて、アイドルを研究しようと思ったことは一度もなくて。だから渡辺淳之介と2人で聴いて「超格好良い」って思えるものをまず作る。で、それが出来たら少しでも多くの人に聴いてもらう為のPVを作ってYouTubeで広めたりしている。昔はテレビに出たり、オリコンで1位を獲らないと誰にも認知してもらえないところがあったけど、今は変わってきたと思っているので、他にも広める手法がいくらでも出てきているので、「これ出したら売れるんじゃないか」っていうところばかり追求してるとダサいだけになっちゃうし、逆に格好良いものに拘って作っていくことが大事なんだろうなって思いますね。

--後のプロモーションや話題作りは渡辺さんの得意とするところですからね。

松隈ケンタ:そうそう、好き勝手やってくれるんで(笑)。だから僕は妥協とかもなるたけしたくなくて、アイドルだとしてもロックサウンドで作るときはすべて生で録ってたりするんですよ。BABYMETALさんもやってると思うんですけど、そこは結構ウチも拘って作っていたりする。

--そういった面でも異質ですし、自然とマジョリティーに対するカウンターに成りやすい存在だと思うんですけど、小室さんも元々はマイノリティーからメインストリームへと這い上がってきた人だと感じています。自身ではどう思われますか?

小室哲哉:その通りだと思います。そこは変わらないと思います。そんな中で「なんでこんなに人が集まってくれるんだろう?」っていう瞬間がやってくるんですよ。1000人ぐらいのお客さんが急に観に来てくれて、不思議な気持ちになった瞬間はありましたね。

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲左:インタビュアー 中央:小室哲哉

--それは何がきっかけだったんですか?

小室哲哉:今はこんな時代だからあたりまえだけど、その当時はフィルムコンサートというものがなくて、でも僕たちは極力ビデオを作ってビデオコンサートを各地でやっていたんです。そういうもので興味を持ってくれた人が増えたのかなって。

--TM NETWORKの当初は実体を見せないようにしていたみたいですね。

小室哲哉:そうそう。そこから実際に「生でやるよ」ってなったから集まってくれたのかもしれないんだけど、真相は分からない。

--ちなみに、小室さんが「売れた」と思った瞬間っていつだったんですか?

小室哲哉:「Get Wild」がオリコンのCDチャートの1回目で1位になったときですかね。先端のデバイスというか、フォーマットの1番って凄いんじゃないかなって思うことが出来た。

--渡辺さんが「売れた」と思った瞬間は?

BiS / FiNAL DANCE(BiSなりの武道館より)
▲BiS / FiNAL DANCE(BiSなりの武道館より)

渡辺淳之介:今のところないです(笑)。僕が今までやってきた中でオリコン4位までしか行ったことがなくて、3位以上の壁が強いんですよね。

小室哲哉:頑張って3位(笑)。どうしても毎週出てくるからね、1位、2位の人たち。

一同:(笑)

松隈ケンタ:そこの壁は強いんですね(笑)。

小室哲哉:でもまぁいろんなチャートもあるし、だんだん崩れてきてはいるので、もうすぐ変わっていくと思いますよ。

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松隈ケンタ&渡辺淳之介は、小室哲哉&松浦社長のような存在になれるか?

--いろんなブームがあって今がある訳ですけど、この先2020年代に向けてどういう女の子たちがどんなスタイルやフォーマットでブレイクしていくと予測されますか?

Adele - Hello
▲Adele - Hello

小室哲哉:突然変異でアデルみたいな人が出てくると基準がガッと変わるし、向こうに住んでいる人たちから「アデルショック」っていう言葉が流行ってるって聞いたり、めちゃくちゃ売れてるセレブと言われる人たちが「やられた」と思ってる話を聞いたときに、やっぱり圧倒的な歌唱力だったり、音楽的能力を持ってる人がこれから先出てくると変わっていくんだろうなって。それは1人出てくるだけでも変わる。

--さっき話題に出た宇多田ヒカルみたいなきっかけになる人ですよね。

小室哲哉:そういう人が1人出てくればガラッと回転していくと思う。それはグループでもいいでしょうし、とにかく飛び抜けている存在。

--渡辺さんはいかがでしょう?

椎名林檎 - 歌舞伎町の女王
▲椎名林檎 - 歌舞伎町の女王

渡辺淳之介:僕は自分のやりたいことにしか興味がないんですけど(笑)、個人的にはシンガーソングライターを手掛けたくて。椎名林檎さんみたいな、音楽だけじゃなく洋服とかでもひとつのカルチャーを作っちゃうような感じの女の子と会いたいなって思ってます。

--宇多田ヒカルと椎名林檎、同時期にデビューした2人の名前が自然と出てきているということは、そろそろそういう時代に突入していくのかもしれないですね。

小室哲哉:そういうサイクルなんだろうね。

--そんな中で小室さんはどんなアーティストを手掛けていこうと思ってるんですか?

小室哲哉:音楽というよりはトータルでカルチャーをどんどん伝えていくようなことをやりたいなって思ってます。日本のマーケットがどんどん小さくなっているので、アジアに向けてのコミュニケーションツールになってくれたらいいなと思っていて。

--渡辺さんも海外戦略的なことは考えているんですか?

BiS / nerve directed by NIGOR(2.5D × VICE)
▲BiS / nerve directed by NIGOR(2.5D × VICE)

渡辺淳之介:僕はNIGO(R)さんとお仕事させて頂いてるんですけど、あの方って海外での人気が凄くて、とてつもない海外の有名人が日本に来て「会いたい」って連絡が来ていたりして、そういうのを見てると素直に「羨ましいな」と思うのと、1回突き抜けちゃえばそうなれるんだろうなって。だから自分も海外に対するアプローチはいつかやってみたい。

松隈ケンタ:僕も小室さんと一緒でアジアに向けて発信したいとは思っていて、欧米は難しいかもしれないけど、アジアには自分の曲が琴線に触れる人たちがいっぱいいそうなんですよね。

小室哲哉:日本はアジアの中でトレンドという意味ではどこか憧れられている。今はK-POPのほうが凄いとか言われていたりもするんだけれども、でもトレンドの発信地としては日本、もっと言えば東京は世界的に認められているので、そこはプライドを持っていいんじゃないかなって思う。

--では、その日本国内でこれから先、ヒットを生んでいく為には何をするべきだと思いますか?

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲渡辺淳之介

渡辺淳之介:テレビスポットかなって。

--今一度?

渡辺淳之介:今一度。それこそ宇多田ヒカルさんが出てきたときも物凄い出稿量でしたし、僕がエイベックスを知ったきっかけも確実に深夜とか夕方に流れていたテレビスポットだったので。で、東京だけ見ればそんなにテレビスポットは必要ないかもしれないですけど、北海道から沖縄までって考えると必要なんだろうなって。なので、物凄く儲かるようになったらテレビスポットをいっぱい打ってみたい(笑)。

小室哲哉:ネットの時代ですけど、地上波は侮れないからね。

--では、小室さんが思う、これからヒットを生んでいく為にやるべきことって何だと思いますか?

小室哲哉:僕のほうがちゃんと考えてないかもしれないです(笑)。あまりにもいろいろ経験しすぎちゃって「これやったことないからやってみたいな」というものもないし、分からない。でもちょっと……これは渡辺くんと近いかもしれないけれども、作品を発表するっていうのは、今はプロモーションだったり、プレゼンテーションであって、その後に二次利用とか三次利用とかありますけど、やがてレコメンドされたところにスポンサーやサポーター、企業の方がついてくれたりする。ちょっとアスリートに近い形。とにかく知ってもらって、どんどん知ってもらって「あ、結構人気あるんだね」ってところでやっと支援してくれる人たちが送り込まれるプロセス。これが形になると、これから若い人たちが音楽ビジネスをやっていく上でのひとつのフォーマットや手段になっていって道が開けていくのかなとは思います。今、みんな悩んでると思うんですよ。ちっちゃくはまとまれるんだけど、広がりがない。ネットこそ「拡散」って言ってますけど、音楽は拡散まで行ってない思うし。

--情報は拡散されるけど、曲まで一緒に拡散はされていかないという。

渡辺淳之介:それは感じますね。

--では、そろそろ時間なので〆に入っていきたいんですが、こうして小室さんとの対談をしてみた感想を聞かせてもらえますか?

渡辺淳之介:いや、もう……緊張がとれなくて。

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲左から:松隈ケンタ/渡辺淳之介

一同:(笑)

--もう〆ですよ(笑)?

小室哲哉:今、音楽ビジネスでみんなからリスペクトされたりする人が、30代の若い人たちの中から出てきてほしいと思ってるので、ぜひ頑張ってほしいです。

渡辺淳之介:ありがとうございます!

--今回は小室さんに楽曲を提供して頂くという形でしたけど、もしまた小室さんと何か出来るとしたらどんなことをしてみたいですか?

松隈ケンタ:もし可能ならスタジオワークをご一緒させてもらいたいですよね。ご一緒というか、観させて頂くだけでもいいです。

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
▲小室哲哉

小室哲哉:僕は僕で最近は生のレコーディングがないので、それを観てみたいですよ。

渡辺淳之介:僕は、次はぜひ小室さんに歌詞を書いてもらいたいです。

小室哲哉:最終的に日本人の心に刺さるのはそこかもしれないですしね、また機会があれば今度は歌詞だけ書くのも面白いかもしれない。

--では、最後に、松隈ケンタ&渡辺淳之介は、小室さんと松浦さんのような存在になれるかどうか。ジャッジして頂けますでしょうか?

小室哲哉:女の子はケアとかも大変だとは思うんですけど、とにかく今の何倍も、6組、7組、8組ってやっていかれると良いと思いますよ。やっぱりみんな調子良いときもあれば、調子悪いときとか冴えないときもあると思うんだけど、そのバランスは何組も手掛けていくことで上手く取れていくし、誰かしら調子が良ければそこにみんなが引っ張られていくこともあるので。1組、2組だとどうしてもそこだけに「頑張ってくれよ」ってなるから重荷になっちゃうんだよね。「ちょっとゆっくりしてていいよ、今は彼女たちに頑張ってもらうから見ててごらん?」ぐらいの余裕もすごく大事。大変なんだけど、そうやって何組も同時に動かしていくっていうことが重要。そしたら上手くいくんじゃないかな。

小室哲哉<×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)対談インタビュー
左から:小室哲哉/松隈ケンタ
渡辺淳之介/インタビュアー

--そうですよね。

小室哲哉:なので、相当寝ないことが一番大事。

--最後のアドバイスが、寝ないこと(笑)。

一同:(笑)

松隈ケンタ渡辺淳之介:ありがとうございました!

小室哲哉:がんばってください。


▲BiSH/earth

Interviewer:平賀哲雄
Photo:Jumpei Yamada

BiSH「DEADMAN」

DEADMAN

2016/05/04 RELEASE
AVCD-83524 ¥ 5,478(税込)

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