リフォーム・内装
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SUUMOリフォーム 編集部
2016年1月29日 (金)

プロに聞く “いいリフォーム会社”の選び方とは?

プロに聞く “いいリフォーム会社”の選び方とは?
写真撮影:刑部友康
リフォームを成功させたいなら、依頼先選びをおざなりにしてはいけない。「近所だから」「紹介だから」ただそれだけで契約すると、仕上がりに納得がいかないことも。会社選びがどうして大事か、どうしたら自分にぴったりの会社が見つけられるのか、消費者からの相談事例をよく知るプロに教えてもらおう。
青木 稔氏(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
公益法人として住宅の取得やリフォームに関する情報提供とトラブル解決の支援を行う。電話相談は住まいるダイヤルにて受付。リフォームの見積もりの内容チェック及び助言を行うサービスも提供している

トラブルを避けたいなら会社選びを慎重に

リフォームに関する情報提供や相談に応じる住宅リフォーム・紛争処理支援センター。住宅相談消費者支援本部の青木稔さんによれば、リフォームのトラブル相談は、新築と比べても決して少なくないのだとか。

「新築は計画的で依頼先選びも慎重になるのに比べ、リフォームの場合は『古くなったところを直すだけ』、『設備を交換するだけ』と気軽に始めてしまいがち。ところが、始めてみるといろいろ気になりだして、工事内容がどんどん変わったり、範囲が予定より広がったり。そこに問題が起きやすいのです」少々厳しい言い方をすれば、行き当たりばったりによるトラブルで失敗しがちというわけだ。

「起きたトラブルを処理するのは大変です。その手間と時間、気苦労を背負うくらいなら、リフォーム会社選びの段階からもっと丁寧にしてもいいのではないでしょうか」

会社の得意分野や特徴を見極める

青木さんがまず勧めるのは、リフォームの内容をよく考え、工事範囲を明確にすることだ。
「工事内容の追加・変更はトラブルの原因のひとつです。追加・変更を全くなくすのは無理としても、最小限に抑えるには、最初のプランがしっかりしていなければなりません。住宅で困っていることやリフォーム後のイメージを家族でよく話し合うといいでしょう」

一方で、リフォーム会社にはそれぞれ得意分野がある。耐震や断熱などの技術に優れた会社、間取り変更のアイデアが豊富な会社。デザインセンスに優れた会社、バリアフリーの先端を行く会社……。
「希望するリフォームの得意な会社を探しましょう。得意な会社なら、担当者に相談したときに参考になる良いアドバイスをくれるはずです」

しかし、おまかせは良くない、と青木さん。
「おまかせもトラブルの原因です。その家で暮らすのは自分なのですから、自分から相談して、的確に応えてくれるかどうかを見極めるんです。これからどんなふうに家を使いたいのか、現状でどんなことに困っているのか、将来どんな暮らしをしたいのかなど伝えたときに、その家に何が必要かを考えてくれる会社が良い会社といえます」

数社に相見積もりを頼み、比べると納得できる

だとしても、1社で見極めるのは難しい。数社を比べてみて初めて違いがわかり、自分にとっての良し悪しもわかるというものだろう。「会社をリストアップしたら現場調査をしてもらい、相見積もりをとるようにしましょう。希望や予算など同じ条件で頼むのが比べやすくてベストですが、具体的に決まっていなければ、提案書と見積書をもらって説明を受ける形でもいいでしょう」

見積書のチェックは素人である施主には難しい。説明してほしいと頼んだとき、プランと照らし合わせながら金額の根拠を丁寧に説明してくれるかどうか。「打ち合わせや見積もりの過程で、会社の実力や誠意もわかってくるはずです」。トラブル事例から見ると、不明瞭な見積もりを持ってくる会社は避けたほうが賢明。理由もなく大幅な値引きをする会社にも注意が必要だという。

「言った・言わない」など認識の違いがトラブルに…打ち合わせ内容は書面で残そう

このほか、一般的な基準として会社のスペックを見るのも役に立つ。
「開業年からは実績の豊富さがわかりますし、建築士やインテリアコーディネーターなど資格者の有無や人数もひとつの物差しです。住宅はアフターサービスがとても重要ですから、その体制も調べておきましょう。万一の場合ですが、瑕疵担保責任保険など業界の保険に加入していると安心できます」

そして、トラブルで最も多いと青木さんが指摘するのが、施主と事業者の認識の食い違い、いわゆる、言った・言わない、そういう意味じゃなかった、といった問題だ。「口約束は思わぬ誤解を招きがちです。打ち合わせ内容を書面で残してくれる会社だと信用できますね。こちらから頼まなくても、確実に記録を残していくのが、プロのあるべき姿だと思いますよ」

また、竣工した家や工事中の現場など、施工例を積極的に見せてくれる会社も、青木さんは評価する。
「自信がなければできないことで、施主とも良い関係を築けている証拠です。あとは、自分と合うかどうか。お施主さんの話も聞いてみるといいですね」

「しっかりと手順を踏めば納得のいく会社選びができて、夢が実現できます」と青木さん。したい暮らしをイメージし、リフォーム内容をハッキリさせ、それが得意な会社を探すこと。そして、数社を比べて自分に合う会社を見極めることが気持ちよく、納得できるリフォームへの第一歩ではないだろうか。

構成・文/今井早智

●取材協力
・公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理センター/住まいるダイヤル
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