モズク2.1万トン目標 在庫不足深刻、生産増へ


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 沖縄県もずく養殖業振興協議会の定期総会が23日、那覇市の県水産会館で開かれた。今期の生産量は糸モズク、本モズク合わせて前年比6・9%増の1万4693トンとなり、生産目標を4千トン以上割り込む2年連続の不作となったことが報告された。不作傾向が続き販売の機会損失が出ることへの危機感を共有し、来期の生産目標を前期より2千トン多い2万1千トンに決定。栽培技術の研修を通じ増産に取り組む方針を確認した。

 生産量の内訳は糸モズク358トン、本モズク1万4335トンだった。

 昨年7月から今年6月までのモズク関連商品の金額は、2013年7月からの1年間に比べて11・4%伸びるなど高値で推移した。生産減に加え、モズクの健康効果が認知され全国的に需要が伸びていることが価格に反映された。

 2年連続の不作について、県もずく養殖業振興協議会の上原亀一会長(県漁業協同組合連合会会長)は「県内モズクの在庫不足が深刻な問題だ」と供給への影響を指摘し、17年産の増産に協力を求めた。

 総会では、県水産海洋技術センターによる種の培養技術の講習会が開かれた。

 また県水産課からは、豊作時にモズクを一部買い入れて価格暴落を防ぐ際に使う県や生産者らが積み立てた基金について、水産振興に関するイベントでも使えるようにする報告があった。同基金は現在6500万円の残高があるが、これまでほとんど使われていないという。

 これに対し協議会の会員からはモズクの振興に限った使用を求める声が上がり、県は今後、基金を運営する県漁業振興基金と対応を協議するとした。