アラカワ商事、沖縄型蛍光灯を開発 高温多湿、塩害に対応


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直管タイプ40ワット型のCCFLを紹介するアラカワ商事の川満匡社長(中央)と、試作品を手に持つ川満翔太専務(右)、久米祐介営業部長=23日、宜野湾市宜野湾のアラカワ商事の工場

 アラカワ商事(宜野湾市、川満匡社長)が次世代型蛍光灯「冷陰極管蛍光ランプ」(CCFL)の開発・製造を県内で初めて開始した。CCFLは一般蛍光灯に比べて消費電力を3割削減でき、設計寿命は4倍以上の4万時間と長く、発光ダイオード(LED)と同程度の性能がある。「美らさん」のネーミングで県が認定する県産品に登録、10月から販売する。高温の環境下で安定する特性を生かし、亜熱帯気候に適応した県産品として東南アジア輸出を視野に入れる。

 液晶テレビやパソコンのバックライト光源として長年使用されてきたCCFLは近年、蛍光灯や電球など実用照明で活用され始め、長寿命と省エネ効果から公共施設や企業などで利用が広がっている。

アラカワ商事が製造する直管タイプ40ワット型のCCFL(手前)と試作品の投光器や防水電球など

 CCFLのガラス管や蛍光体は一般蛍光灯と同じ構造だが、加熱して電子を放出するフィラメントを使用せず、電極から直接、熱電子を放出して光をつくる仕組みだ。

 直線的な発光で指向性が強いLEDに対して、CCFLは蛍光灯同様に広範囲に発光するため、自然に近い光を出す。LEDは高温に弱いが、CCFLは気温60度以上の環境でも適応できる。

 アラカワ商事は、業務提携を結ぶ日本エコ照明(滋賀県)から技術提供を受けて、高温や高湿度、塩害、紫外線など沖縄の気候に耐える独自のCCFL製品を開発・製造する。

 同社が生産するのは現在、直管タイプ40ワット型(消費電力28ワット)。3段階の調光機能付きでハイ・エコモードだと一般蛍光灯に比べ、消費電力を65%削減できる。蛍光色は昼白色や白色など5種類から選べる。使用には電子安定器の取り付けが必要になる。

 40ワット型の希望小売価格は1万円。2年目に年間3万本の販売目標を掲げる。川満社長は「環境問題は全世界が共有する課題だ。長寿命と省エネ効果に優れたジャパン・クオリティーの製品を、県産品として東南アジアにも輸出していきたい」と意気込みを語った。問い合わせは同社(電話)098(882)0151。