久米島紅イモ、全国へ発信 加工施設が完成


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甘藷加工施設を見学する関係者ら=14日、久米島町上江洲

 【久米島】久米島産の紅イモを加工する「久米島町甘藷(かんしょ)加工施設」の竣工式と祝賀会が14日、久米島町上江洲の同施設で開かれた。町関係者らが多数出席し、施設の完成を祝った。町産紅イモでペーストとパウダーを製造し、全国の菓子・製パンメーカーに販売していく。

 大田治雄町長は「甘藷を加工して付加価値を高めて出荷することにより、農家の経営安定と所得向上、地域経済の活性化等が期待できる」とあいさつした。

 施設は県特定地域経営支援対策事業が活用され、鉄骨造平屋建てで、延べ面積339・60平方メートル。総事業費は約2億5755万円。スイートフーズ久米島(中本泰一郎代表取締役)が管理・運営する。中本社長は「久米島の紅イモブランドを確立したい」と話した。

 生産農家を代表して、山里昌明さん(61)は「沖縄は年間を通して紅イモが生産できる。安定供給を目指したい」と意気込んだ。

 久米島では2013年にイモ類に食害を与えるアリモドキゾウムシの根絶防除を達成し、15年に県甘藷拠点産地に認定された。16年度の島内の生産量は1032トンで8割が島外に出荷されている。
(盛長容子通信員)