一升瓶リレーで地域に絆 八重瀬・友寄団地の伝統に 長寿願い「シンムイ踊り」創作


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長寿を願い、酒や鶴、亀の水引きを持って踊る「シンムイ踊り」=18日、八重瀬町友寄の友寄第一団地コミュニティーセンター

 【八重瀬】団地形成から40年余、地域の伝統芸能がないことから、八重瀬町友寄の友寄第一団地自治会(高良貢自治会長)はこのほど、不老長寿を願う舞踊「シンムイ踊り」を新たに創作した。18日に同団地コミュニティーセンターで開かれた2016年度敬老会・納涼祭で、子ども会や婦人部の会員らが80歳以上のお年寄りらに踊りを初披露し、長寿をあやかった。

 「シンムイ踊り」は酒の一升瓶や長寿を表す鶴、亀の水引きなどのシンムイ(供物)を持ち、地域住民らがリレー方式で交代しながら、黒島節に合わせて踊る。最後はめでたい節でパーランクーを手ににぎやかに踊って盛り上げる。高良自治会長(65)が幼少の頃、故郷の伊是名島で目にした行事の所作をヒントに創作し、歌詞は仲村久子さんが作詞した。踊りに先立ち、お年寄りと杯を交わす献杯も行われた。

 県住宅公社の団地形成事業で、県内各地から人々が移住した同団地。松嶺秀雄さん(81)は「(団地形成当時は)若い夫婦が中心だったが、いつの間にか40年以上がたち、住みよい地域に発展した」と振り返り、「団地の歴史をつくる上で、踊りを創作したのは非常にいいことだ。踊りにあやかり、丈夫な長寿を目指したい」と話した。

 高良自治会長は「地域をつくり上げた先輩方に感謝だ。踊りは誰にでも踊れるよう簡単に創作した。踊りをもっと発展させて他の地域にも広め、いずれは町の伝統無形民俗文化財に指定されたい」と語った。