石垣自衛隊配備 「外交を」「備え必要」 初の市民討論会


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 【石垣】石垣市は28日、同市への自衛隊配備の是非について賛否両派の意見を聞く公開討論会を市民会館で初めて開催した。反対派から「親善交流などで備えた方がより安全になる」と外交努力の重要性を訴える声が上がった一方、賛成派からは中国が南シナ海などで海洋進出を強めているなどとして「備えが必要」などの声が上がった。中山義隆市長が今後、市民それぞれの意見をどのようにくみ上げ、民意を見極めるかが注目される。

 討論会は反対派から石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会の上原秀政共同代表、事務局の藤井幸子さん、同会推薦の伊波洋一参院議員、配備推進派からは石垣島自衛隊配備推進協議会が推薦した佐藤正久参院議員、砥板芳行石垣市議、漁業者の仲田吉一さん計6人が登壇し、意見発表とクロストークを展開した。

 反対派の上原共同代表は「万が一の有事に(自衛隊で)備えるのではなく、親善施設を造るなどの交流で備えた方が『安全』の成功率が高い」と訴えた。賛成派の砥板市議は「(先島は)離島の離島。大規模災害時、自衛隊の有無で初動の時間に大きく関わる」と配備の必要性を主張した。

 討論会を終え中山市長は「住民投票はそぐわないと思っているが、市民や議会が必要だと判断すれば見守りたい」と話した。