石垣島の自然 体制強化 17団体で環境保全会議発足


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関係機関が意見交換を図るため設立した「石垣市自然環境保全ネットワーク」=19日、石垣市教育委員会

 【石垣】石垣島の自然環境保全に向け関係機関が意見交換を図る「石垣市自然環境保全ネットワーク」が19日、設立された。自然環境の保全や自然の利活用に関わる問題などについて情報を収集し、意見交換を図りながら課題解決の方策を探る活動を目指す。

 会は市や県の関係部局、環境省、市内で環境保全や自然に関わる活動に取り組んでいる17団体で構成。会長はWWFサンゴ礁保護研究センターの鈴木倫太郎センター長が選任された。

 市は2007年、自然環境保全条例を制定し、13年に自然環境保全基本方針を策定した。基本方針に基づき、15年には市全域で捕獲や採取を原則禁止する動植物103種を「保全種」に指定し、生息環境を守るための「保護地区」を定めている。石垣島に生息する希少野生動植物の保護に力を入れており、今回のネットワーク設立で自然保護の体制強化を図ることにしている。

 この日の第1回会議では会員団体がそれぞれ外来生物の防除や赤土流出防止、保全種パトロールなど活動を紹介。その後、名蔵アンパルの近くで計画されるゴルフ場建設や観光客による昆虫観察など自然環境に関する問題などについて質問や意見があり、今後注視すべき点などを話し合った。

 鈴木会長は「観光による自然環境への影響が注目される中、どのような仕組みが必要か話し合っていきたい。外来種の脅威もどうなっているか。ホテル建設の話題も多く、今後さまざまな点で情報共有していきたい」と話した。