「土人」発言に抗議 県議会、賛成多数で可決


この記事を書いた人 新里 哲

 米軍北部訓練場のヘリパッド建設の抗議現場で県外機動隊員が「土人」「シナ人」などと発言したことを受け、沖縄県議会(新里米吉議長)は28日、臨時会を開き、発言に抗議する決議と意見書をそれぞれ与党と中立会派の賛成多数で可決した。沖縄・自民会派は「抗議参加者の発言も自制すべきではないか」などとして反対した。賛成した議員は11月10日に県公安委員会と県警本部を訪ね、抗議決議を手交する予定だ。

 沖縄・自民は警察官の不穏当発言の再発防止や現場警察官の負担軽減などを求めた意見書を提案したが、賛成少数で否決された。

 決議は「発言は県民の誇りと尊厳を踏みにじり、癒やしがたい深い傷を与えた。県民の苦難の歴史を否定し、平和な沖縄を願って歩んできた県民の思いを一瞬のうちに打ち砕いたものと言わざるを得ない」と指摘。その上で「法を守り、市民県民の人権を守る先頭に立つべき機動隊員らによる発言に対し、県内外から多数の非難が出ており、不信感が広がっている事実を警察関係者は受け止めるべきだ」などと侮辱発言が繰り返されないよう求めた。