「ここが私のルーツ」 米女優のタムリン富田さん


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開会式に参加した、米で活躍する女優のタムリン・直美・富田さん=27日、沖縄セルラースタジアム那覇

 27日の「第6回世界のウチナーンチュ大会」開会式終了後、多くの参加者から写真撮影を頼まれていたタムリン・直美・富田さん(50)は、洋画「デイ・アフター・トゥモロー」や「カラテ・キッド2」の他、現在も毎週日曜日のテレビドラマに出演する県系1世の米女優だ。母朝子さん(79)らと大会参加のため里帰りしたタムリンさんは、時折立ち上がって笑顔で手を振るなど、大会の一体感を楽しんだ。

 3回目の大会参加。今回はおいやめい、恋人と一緒に来ており、「特別な気持ちだ」と話す。エイサーを見ながら「私もお盆では安里屋ユンタなど2曲くらい踊る。母は踊りが上手だ。指笛を吹けるようになりたい」と語った。

 母朝子さんは大宜味出身の父とフィリピン人の母の間にフィリピンで生まれ、1946年に沖縄へ引き揚げた。日系2世の米兵と結婚し、タムリンさんが生まれ、米国に渡った。沖縄に戻る際は戦跡を訪れることも。「ひめゆりの塔では悲しい気持ちになる」

 朝子さんは、開会式で世界のウチナーンチュに囲まれながら「アイム ソー ハッピー!(私はとても幸せ)」と話し、会場で響いた「てぃんさぐぬ花」を口ずさんだ。

 ウチナーンチュとして、沖縄が歩んできた歴史を見詰めるとともに自身のアイデンティティーを大切にしてきたタムリンさん。「ここは私のルーツであり、母の故郷だ。ここから旅立って困難の中を一生懸命やってきたからこそ今がある。沖縄に来ると新しい気持ちになり、視野が広がる」と笑顔を見せた。(東江亜季子)