北部訓練場 砂利搬入2000台超え 急増、1日に100台


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「さし枠」とみられる板が外され、最大積載量を示すステッカーが貼られたダンプカーの荷台=10月21日、東村高江のN1地区ゲート前(画像を一部修正)

 【ヘリパッド取材班】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)で新たに建設される4カ所のヘリパッドと運搬道路の整備で使用するため、N1地区ゲートに搬入されている砂利の量が10月下旬から急激に増えている。当初の搬入は1日当たりダンプカー10台分程度だったが10月31日には約10倍で過去最多の100台分の砂利が搬入された。4日は72台分が搬入され、建設に反対する市民らによると、この日で2千台分を超えたという。

 菅義偉官房長官が10月8日、上空から工事の進捗(しんちょく)状況を視察後、建設作業を年内で終了させる意向を明言。年内完了に向け作業が急ピッチで進められていることが大きな要因とみられる。
 ダンプカーの搬入台数が増えた理由として、当初はN1の2カ所のヘリパッド造成から始められた工事が、H地区とG地区のヘリパッドの2カ所と、それぞれの運搬道路の造成が同時に行われるようになったことも挙げられる。
 N1地区への砂利の搬入は、工事が再開された7月22日から9月中までは10~20台分で推移していた。だが、菅氏の視察後、10月上旬からは30~60台分に増加。さらに10月下旬から11月にかけては80~100台程度に台数が増えた。
 10月下旬には、最大積載量表示がないなどダンプカーの不正改造問題が明らかになった。沖縄総合事務局の指導を受け、10月20日ごろからは最大積載量を表示したり、砂利の量を外部から隠していた「さし枠」が外されたりした。そのため、1度に運ぶ砂利の量が減ったため台数を増やさざるを得なくなったことも理由の一つに挙げられる。
 平和市民連絡会の北上田毅さんは「砂利の積載量違反に対する市民の目が厳しくなったことを受け、明らかに1台に積載する砂利の量は減った」と指摘。「当初予定の台数より大幅に増えているはずだ。年内に工事を終えようと、なりふり構わない工事が行われている」と批判した。