第5回アイドル楽曲大賞2016

  • メジャーsg
    • 1.AKB48 team8「あまのじゃくバッタ」
      • 神宿で名を上げた"ながいたつ"作/編曲。素っ頓狂なmoogのフレーズが脳にこびりつく、中毒性の高い電波ソング。しかし電波感はフリカケであり、ラウドなギターと四つ打ちで構成されたボトムとの交差で奇妙な魅力を醸すネオディスコ。
    • 1.欅坂46「二人セゾン」
      • 1980年代の華やかだった広告業界の作品群を思わせる1曲。作/編曲はSoulifeで、岡山S-Qtyの、と書くか、乃木坂46のc/wで佳曲を連発している、と書くか悩ましい所だが、いずれにせよ常に質の高いメロディーとトラックを送り出す2人組によるもので、尚この球を投げられるのかと舌を巻く恐るべきフレージング。この、"色が迫ってくるような感覚"に陥るのは一体何に由来するものだろうか、どうしても解析出来ない。
    • 1.AKB48「Love Trip」
      • 言い訳maybe」調のイケイケトラックで、慣れた者にとっては「ああ、またか」と云うような感想を与える48サウンドだが、ボトルネック奏法のギターが何かそれまでとは違うテイストを与えている。編曲は佐々木裕で、48に於いて随分前から膨大な数の仕事をこなしており、音源制作工場の様な凡庸な印象が強かったが、2015年あたりから急速に腕を伸ばしてきた。特にここ数作は完全に覚醒した感があり、メジャーシングルに求められる派手さ仰々しさを押さえつつも、ちょっとしたギターのカッティングやクラブ的アプローチにインテリジェンスを感じる。
    • 4.GEM「GEM Entertainment Overture」
      • 待望の音源リリース。Carlos K.作編曲と云う情報がもたらされたのも収穫。
    • 5.ふわふわ「フワフワSugar Love」
  • インディーズsg
    • 1.ほしのあすか「Rocket Boy Sar Girl」3.0pt
      • PandaBoY渾身のアッパーチューン。氏の書く曲はどれも同じに聞こえてきたな....と少し倦怠期だったところ、それを払拭するようなトラックがほしのあすかに持ち込まれた。Al Kooper「Jolie」をヒントにしたと思われるリフから放たれる煌めきが眩しい。
    • 2.絶対直球女子!プレイボールズ「ダイビングキャッチ」3.0pt
      • RADIO FISH風のと書いた方が通りの良さそうな、大サビがインストのEDM。と云うのもプレイボールズの大半の編曲を手がける宮田リョウはRADIO FISHも手がけて居り実はお手の物。コバヤシユウジの大衆性を忘れないメロディーメーカーぶりと相まって、見事なEDMアンセムとなった。野球モチーフとは云え、ユニフォームに身を包んだ男性までがステージに上がってしまうので面食らった人も居るだろうが、決して戯れでやって居るのでない事は音楽が証明している。
    • 3.脇田もなり「In The City」2.5pt
      • 詞曲:はせはじむ、編曲:新井俊也、MIX:佐藤清喜、コーラス:飯泉裕子とほぼmicrostar布陣による佳曲。
    • 4.Hauptharmonieハウプト「きらり」1.0pt
      • ギラついたキャバレー風のサウンドがひしめくハウプト音源の中で、一服の清涼剤のように佇むミディアムバラード。編曲含む作曲を行ったのは個人としても活動する"つるうちはな"で、ハウプトに数曲提供の実績あり。
    • 5.RYUTiST「サマートレイン」0.5pt
      • 伝説のと惹句を載せたくなるグループso nice鎌倉克行のペンによるシティポップ。本家と云うべきか逆カバーと云うべきか、so nice verも存在し、鎌倉編曲でライブでは披露されて居るのでそちらも是非。
  • アルバムTOP5
    • 1.High Touch Girls「This Is N.E.O. Local City Pop」5.0pt
      • アイドルにはストーリーがどうの、武道館をめざしてどうの、と云う楽曲外の情報を一掃する存在。前橋市で様々なプロジェクトを仕掛ける運営と女子大学生によるユニットで、アイドルのふりをした地元応援キャンペーンガールとも。メンバーの就職活動などもあり、1年も活動しないまま終了となったがそれも総て当初の予定通り。ステージに立って唄って踊る事の喜びが溢れるステージングも青春映画のような爽やかさがあった。サウンドの総ては「ソウルしか書けないのですが」と門を叩いた川上広武で、ソウル、ファンク、ディスコを下敷きにしたオールドスクールなラップを展開。当初lyrical schoolのパクリと囁かれたこともあったが、曲が発表される度それとは異なるトラックを次々打ちだし、地歩を固めたその結果がこのアルバム。
    • 3.chelmicochelmico」0.5pt
      • 誰がどの曲を書いたのか書かれてないと云う、作家軽視のライナーノーツには閉口ものだが、サウンドはそれとは別。近頃増えすぎたアーバンラップの中では出色の仕上がりで、結成初期からSoundcloudにUpされていた「ラビリンス'97」の官能的なサックスが聴く者を酩酊させる。

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