2017年9月21日木曜日

女69 爪を噛む 3

j.mp/tacw69d Woman 69 - lost thumbnails 3

Every time she comes home,
she talks to me.

"Were you a good boy today?"

"I'm not doing it," and when I respond, my sister makes her eyes thin, stroking my head and says, "Yes."

My sister doesn't know what I'm saying.

I took the foot of the grasshopper on that day.

Every day, I cut my nails short with a pillar of wood supporting my house.

I sometimes poop in places that are said not to do.

My sister is a fool.

During this time, my sister was in trouble while looking at her computer.

Then, I jumped up quickly on the desk, stepped on the keyboard full, and taught it to "this is done!" to the elder sister.

Then, the elder sister hugged me tightly. My sister was also very pleased with her eyes.

End

Lounge : 女69 爪を噛む 3
Flickr Dutch Roll
Woman 69 - lost thumbnails 3
鉛筆 A3ケント紙 2015-08-07
Pencil on paper + GIMP (hand drawing + retouch). #art #painting
爪を噛む 3 : lost thumbnails 3
Flickr URL : http://j.mp/tacw69d
お姉ちゃんは家に帰ってくるたび、ぼくに話しかけます。
「きょうもいい子にしてた?」
「してないよ」
とぼくが応えると、お姉ちゃんは目を細くして、ぼくのあたまをなでながら、「そう」といいます。お姉ちゃんはぼくが言っていることをまったくわかっていません。その日もぼくは、バッタの足を取りました。ぼくは毎日、家を支える木の柱で爪を短く削っています。ぼくは、してはいけないと言われている場所で、たまにうんちをします。
お姉ちゃんばかです。この間もお姉ちゃんはパソコンを見ながら困っていました。そこでぼくはつくえの上にさっと飛び上がって、キーボードをいっぱい踏んで、「こうするんだよ!」とお姉ちゃんに教えてやりました。するとお姉ちゃんはぼくをぎゅっと抱きしめました。お姉ちゃんはまた目を細くして、とってもよろこびました。おわり。
冒頭の英文は、

にて、その下に掲載した日本語の原文を英訳したもの。
猫小学校2年3組の戸松ミャン君が、先生(猫)に指名され宿題の作文を読み上げている、絵本作家のいもとようこ的イメージ。

尚、下記の背景色の色相は、これまで  引用   として採用してきたが、他に気に入った色合いが見つからないので、今後はもろもろの  解説 とする。厳密には、やや青みが強く、カラーコードは異なる。
Woman 69/lost thumbnails 3 (part) cat
work in progress (part)
日本語タイトルは、”爪を噛む 3”。
英語タイトルは、”lost thumbnails 3”

創作においては喋る猫は珍しくないが、ほとんど無駄だと重々承知の上で、自分が先生になって、この猫に時々言葉を教えていた。99%遊び。1%本気で。
「おはよう」「おやすみ」の挨拶や、目鼻や肉球を摘んで、その単語を繰り返し、マグロの刺身をちらつかせて、魚の名前を言うまでお預けといった具合に。
マグロの時は、ひたすら興奮していたが、目を見つめて講義している間、猫は嫌がるでもなく、聞き入るでもなく、概ねキョトンとしていた。

その作文は、推敲の段階で、いくつかの自動(機械)翻訳サービスにて、英語でどう表現されるか検証した為、主語、目的語が無闇に多い。
第一稿は全てひらがなで、主語、目的語はかなり省略されていた。
結果的に幼稚さの表現になったが、でたらめな翻訳文をできるだけマシにするため、本末転倒ではあるが、やむなく上記の形になった。
(その中でも、取り分け Microsoft Translator は日本語、英語間の翻訳については、一歩先んじている。併せてその英訳をそのまま再翻訳したものも掲載。表示上の体裁を多少整えたが、字句の変更はしていない。)

彼女は帰宅するたびに私に話しかけてくる。
「今日はいい子だった?」
「やってないよ」
と返答すると、妹は目を細めて、頭を撫でて
「はい」
と言います。
妹は私が何を言っているのかわかりません。
その日はバッタの足をとりました。
毎日、家を支える木の柱で爪を短く切りました。
やらないと言われる場所で時々ウンチします。
妹は愚か者です。
この間、妹はパソコンを見ながら困っていました。
それから、机の上でさっと跳び上がって、鍵盤をフルに踏んで、
姉に
「これはやっちゃえ」
と教えました。
すると姉は私をぎゅっと抱きしめてくれました。
私の妹も目がとても嬉しかったです。終わり。
いずれにしろ、現状では、主語、目的語が明確でないと、この通訳達はほとんど役に立たない。
この原因を、省略の多い日本語、曳いては、押し付けがましい表現を避け、謙譲を美徳とする日本文化の功罪に求めるのが一般論だが、要するにこの”通訳者”の経験が未だ不足しているということだろう。
”「してないよ」とこたえると、目を細くして、”
と書いても、前の一文からの流れで、誰が応え、誰が目を細めたのか想像が付く。
どんな言語であれ、親しい間柄なら、I want you to be a good boy.ではなく、Be a good boy.だ。
日本語は、文章においても省略が過度なだけで、決して特殊ではない。
大雑把な言い方だが、文章における推敲のように、受け手を仮想して、表現者と受け手の立場を往き来し、適度に表出を省略したり、加減したりすることは、表現者と受け手双方の想像力を育む効果がある。
言葉をはじめあらゆる表現は、表現者と受け手の丁度中間地点に置かれることが理想だと思う。
表現者に近すぎれば、独りよがりで理解できないものとなり、表現者から遠すぎれば、押し付けがましいものとなり、受け手の想像の機会や余韻を奪う。
勿論、その位置を推し測るのは、当の表現者自身の客観性、平たく言えば”思いやり”もしくは"気遣い'"だ。但し、それには"巨視的な'"という形容詞が付くが。
子供が大人になることの第一歩は、こうした距離感を測る術を身に着けることだろう。先人はその中間地点まで後進が自力で歩めるように、影ながら演出しなければならない。
そして第二段階は、今度は後進自らが送り出す側になって、このサイクルを継続させることだろう。勿論これは理想論であり、このような先達は決して多くはない。
しかし、自分自身がこのサイクルで育まれたのなら、そうした志を最低限保つこと、未だ自分がその器でないなら、少なくともその能力を持つ者を支持することは、完全無欠の真理であり、人としての義務だ。
残念ながら20有余年生きても、かの猫はこのサイクルの一員になれず、猫語以外喋れなかった。
一方、試行錯誤のデータを一途に積み重ねて、自動翻訳サービスはやがて大人になるだろう。
そもそも、この絵を描いた主な動機は、サムネイルという画像インデックスを削除した、現在のFlickr制作陣に対する抗議だった。
彼らは、さながら上っ面だけ大人の猿真似をして悦に入る子供だ。彼らの表現の位置取りは、あまりにユーザーから遠く、彼らを袋小路に迷わせ、表現力を再生産するサイクルを断ち切つた。その所業は、悪名高き 焚書 に近い。
焚書を行った為政者たちが、永く栄えた例はない。
ところで、かく言う自分が描いたこの絵の表現の位置取り、距離感はどうだろう。
残念ながら、サムネイルでできたロゴがなければ、単に猫が女性を困らせているとしか見えない。見つめる先に問題があることなど解るはずもない。
しかも技術的には、女性も猫も拙速に想像で描いた部分が多く、インパクトは弱く鈍い。要するに安っぽい。又、キャンペーン用として明らかに押し付けがましく、一度見られたら用済みの類だろう。

しかし、この猫に肩入れしている自分としては、このままでは忍びない。
そこで堅苦しい使命感を一旦脇に置いて、そのロゴではなく、冒頭の独白を加えて、漸く溜飲を下げた次第。
普通、猫はただ同時代に啼くばかりで、後世に何かを伝えることは出来ない。しかし彼は、長い年月をかけて一つだけ形を残した。背景画像参照。
但しそのキャプションを、「猫が作った彫刻」とするのはあざといだろう。意識的に作った作品ではないので、単純に「爪の手入れ」と呼ぶことにする。
彼は、他の柱は傷つけず、この柱で生涯爪の手入れをしていた。柱の下方を彫り尽くすと、摑まり立ちして、随分上の方までガリガリとやっていた。

自分がうまくいかなかったからといって、社会性を帯びた、理屈先行の絵を否定するつもりはないが、やはり絵の原点は、まず何より自分が繰り返し見たくなり、後から振り返った時、自分自身を鼓舞、啓発してくれる絵を描くことだ。
表現力のリサイクルは、自分自身の歴史にも当てはまるのかもしれない。

●作業工程ログ(作業日誌)

Evernote :

Evernote 共有ノートブック :
WomanMosaic8 (64 - 72)


●次作予告

Woman 70 - bubble : 泡

溺れて、口と鼻から気泡が湧き出す女。
髪は逆巻き、仰け反って口を大きく開き、
最期の空気が出ていくのを、朦朧として見送る。
Flickrにおける、これまでの悪行の詳細は、一連の”Flickr Dutch Roll”の投稿を参照。

実は2017年9月現在、以前から予想はしていたが、サムネイルで形成された素晴らしいアーカイブが終に削除された。Flickr Dutch Roll 5 : "Flickr tour" にて、後日詳しく触れる予定。
作業日誌 / Woman 69
DateSummary
2014-08-17
構想スケッチ。ほぼ正面顔。憂い顔で左手の親指を食む。
2014-08-18
唇を噛む。臍を噛む。そして爪を噛む。
2014-08-24
消しゴムを船の舳先のように使うと、定着していない鉛筆の粉の粒子は、轍の両端のように、少し盛り上がって小さな土手を作る。
2014-08-29
やせ我慢は止めて、音楽を聴きながら描く事を解禁。要は結果に結びつく形で、集中力とリラックスの波をうまく利用すればいいわけで、途中経過の評価は無音で行おう。
2014-08-31
上下逆様にして、顔の輪郭を検証。
2014-09-20
顔、手の構図fix。右に寄り添って画面を覗き込む猫を加えよう。
2014-09-26
髪は薄目にフォルムを確定させ、消しゴムで大まかな頭部の丸み、及び細かい髪束ごとハイライトを描画。その後、薄目の線描を濃い目の点描と角度をつけたキャタピラ破線でトレース。白の残し加減に注意。
2014-10-10
葉っぱ柄の服を追加。
2014-10-23
製作中画像作成。猫以外。
2014-11-13
猫構想デッサン。2Hメイン、4H、6H。やや手前にいる猫。女性の顔に懸かる右耳は、フォルム確定後、最後に。小さなぼかしに綿棒を使用。
2014-11-24
マスキングシートで服の布目と猫の毛を整形。
2014-12-05
猫のフォルムfix。足元は浅いコントラポスト。お姉ちゃんの膝に乗り、前足を机の上に懸けて、背伸びをするように。白い毛は薄切り消しゴムで。

2014-12-12
猫の模様。
2015-01-05
猫が乗るキーボード。「おねえちゃんがパソコンの画面を見ながら、
ため息をついているので、
ぼくも覗き込んで見てみました。」
猫がキーボードを踏んで、
さらに画面が滅茶苦茶に。
2015-01-12
肉球でCtr+Shift+c。その後、尻尾でEnter。左腕に射す猫の影。HB中心に放射状にHのグラデーション。
<kbd>
2015-01-28
服の葉っぱ柄を薄切り消しゴムで整形しつつ、白を剥き出し。
2015-03-28
服の葉っぱ柄 はやめ。粒粒に。
2015-08-07
画像制作完了。仕上げにCGを多用。中心を右にずらし、画像の切り取りを斜めに。描き直しの消し跡の轍が多すぎて、紙表面がガタガタに。結果的にその後の描画で、轍が交差した部分に、不如意の黒点が散見。これをCG鉛筆で解消。肌、目の周囲、左の髪。
CG多用に関しては、紙の上での作品と異なり、後ろめたさ、技量不足の情けなさはややあるが、あくまでも油彩画の為の準備として割り切り、今後も多用しようと思う。唯明示すればいいだけの話だ。














Music × Picture

Immortality

Bee Gees
ところで、実は以前から、もし猫が歌を歌ったらどんな感じだろうと想像を廻らせ、アンテナを張っていたのだが、最近になって漸く発見することが出来た。

それは、意地悪い見方をすると、冗談で悪ふざけして歌っているようにすら聴こえる、ファルセットのビージーズだ。
帰宅が遅れると、奥から小さい猛獣が駆けて来て、何か食わせろと叫ぶように啼き続けている間、暫し意地悪をして、その振り絞った血声と彼らのようにハモっていたものだ。
この曲は、元々はセリーヌ・ディオンへ提供されたものだが、作曲者自ら歌うこちらの方が、猫の歌声に近いように思う。勿論、低音で啼く猫もいて、それぞれ微妙に声質は違うだろうから、これはあくまでもウチの猫の話。
幼い頃は、他の猫と同様に低周波の喉鳴らしをよくしていた。
ところが、去勢の後はほとんどそれを聞くことはなく、代わりに、口を閉じたままの不機嫌そうな低い唸り声を聞くことが増えた。
バリー・ギブではなく、そんな彼が、この曲を甲高い声で歌い上げる様は、想像するだに頗る愉快だし、慰めにもなる。
柱に摑まり立ちするように背筋を伸ばし、尻尾の先を揺らしながら、時に手を紅葉のように開き、ふさふさの胸毛を震わせ、板ガムみたいな桃色の舌で奏でるビブラート・・・

因に、他人のふんどしで相撲を取ることは、英語では"free ride" つまり” ただ乗り”と簡潔に訳せるそうだが、粗末ながらも絵という代価を払っていると勝手に開き直って、次に描く猫の絵に添える曲も、同じくビージーズから選ぶことを前もって予告しておく。

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