トランプ氏勝利 翁長知事、異例の祝電 膠着状態打破狙う


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 翁長雄志知事

 翁長雄志知事は9日、トランプ氏宛てに当選への祝電を送ると記者団に明らかにした。知事が米大統領選に絡んで祝電を送るのは歴代でも初めてのことで、異例の対応だ。

 米大統領選の結果について県は、過去に国務長官として辺野古移設を進めたクリントン氏が勝利した場合は大きな変化は期待できないと見ていた。トランプ氏の大統領就任の影響について県幹部は「未知数」と慎重に見る一方、「何かが起きる期待はある」としており、トランプ氏周辺との接触を試み、直接対話による解決を模索する考えだ。

 翁長知事は米大統領選の結果が辺野古移設に与える影響について「クリントン氏の場合は今日までの政治を背負っている。ある意味で、今の膠着(こうちゃく)状態がそのままになると思っていた」と説明。「トランプ氏の場合、破天荒な人だ。基地問題がどういう風に動くかは分からないが、膠着状態の政治はしないのではないか。できるだけ早く私の考えを伝える」と述べた。

 県関係者によると、祝電の送付は事務方からの提案ではなく、知事が指示した。トランプ氏の当選を祝い、米国の発展を祈った上で、「大統領就任後は米国と沖縄の関係について話し合う機会を得たい」と伝える内容。当初案は辺野古新基地建設などの基地問題にも触れていたが、まずは対話を始める観点から、個別の問題に関する言及は避けた。

英文へ→Governor Onaga sends congratulations to U.S. President-elect Trump, hopes to break deadlock