弱者目線の避難所に 糸満でシンポ 「子ども広場」など提案


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子どもや高齢者、障がいのある人も快適に過ごせる避難所について議論を深めるパネリストら=11月26日、糸満市社会福祉センター

 【糸満】「第20回糸満市VIVO(ビボ)フェスタ2016」が11月26日、糸満市社会福祉センターで開かれた。「安心・快適な避難所について、みんなで考えよう!」をテーマにシンポジウムが行われた。パネリストらは事前に糸満市の避難所の糸満小学校体育館を視察。避難所として良いところと悪いところを報告し、キッズスペースの必要性やトイレの洗面台の低さなど、子どもや高齢者、障がいのある人も快適に過ごせる避難所について議論した。約50人が参加した。

 パネリストは新潟県出身の客室乗務員で現在育児休暇中の石戸愛子さん(32)、障害者支援施設ソフィア副施設長の城間定治さん(42)、字糸満地域の民生委員児童委員の上原広子さん(67)。糸満市防災組織連絡協議会会長で防災アドバイザーの古我知進さん(66)がコーディネーターを務めた。

 石戸さんは避難所生活を体験した県外出身のお母さんたちの話を交えながら報告。小学生のきょうだいでかみつきなどのけんかがあった例を紹介し、「子どもたちも強いストレスを感じ、いつもと違う行動をしてしまう。親が心にゆとりを持って子どもと接することができるよう配慮が必要」と、キッズスペースの設置を提案した。

 城間さんは、車いす専用トイレの入り口のスリッパについて「車いすの妨げになるので管理が必要」とした。また「トイレとの距離を考えて高齢者スペースを確保して」と強調した。

 上原さんは「生活者の視点を大切にするためにも、女性だけの話し合いの場も必要だ。公助、共助、自助による防災活動が重要」と話した。

 シンポジウムの前に古我知さんが「自主防災組織の役割と活動状況~みんなで考えよう、避難所運営~」と題し講話した。