地位協定、軍属範囲見直し進展なし 日米防衛相会談


この記事を書いた人 金城 美智子
稲田朋美防衛相

 【東京】稲田朋美防衛相は7日、来日中のカーター米国防長官と防衛省で会談し、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設が条件となっている米軍北部訓練場の過半を22日に返還することを確認した。米軍属女性暴行殺人事件を受け、日米両政府が合意した日米地位協定の米軍属適用範囲見直しについては事務レベルで引き続き協議することを確認するにとどまった。

 日米両政府はことし7月、米軍関係者の犯罪抑止につながるとして軍属の定義を明確化し、数カ月で明文化することで合意していた。ただ今回の会談で明文化作成に至っていない。カーター氏は会談後の共同記者会見で「詳細を詰めている。近い将来発表できると思う」との認識を示した。

 東村と国頭村に広がる北部訓練場はヘリパッド移設を条件として、7513ヘクタールのうち3987ヘクタールが返還される。カーター氏は「第2次世界大戦以降、最大の返還となる。われわれの歴史を振り返っても大きなステップになる」と成果を強調した。

 稲田氏は共同記者会見で北部訓練場の過半返還について「負担軽減の取り組みだと歓迎した」と謝意を示しつつ、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について「唯一の解決策だと確認した」と強調した。
【琉球新報電子版】