「移設阻止」貫く 翁長知事、権限行使を強調


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最高裁の通知を受け「岩礁破砕許可など一つ一つ検証していくことになる」と述べる翁長雄志知事=12日夜、沖縄県庁

 沖縄県の翁長雄志知事は12日夜、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画を巡る訴訟で最高裁の通知を受けて県庁で記者会見し「辺野古基地は造らせないことを公約に掲げてきた。これからもその信念をしっかり持ちつつ思いを遂げていきたい」と語った。政府側が埋め立て工事を強行してくることが予想されることには「承認の取り消しの取り消しで原点に戻っている。原点をしっかり踏まえて岩礁破砕許可など一つ一つ検証していくことになる」と話し、各種知事権限を行使していく姿勢を改めて強調した。

 敗訴判決の後、名護市辺野古の埋め立て承認の取り消しをいつ取り消すのかについては「弁護士と相談してしかるべき時期に判断する」と述べたが、明言はしなかった。

 最高裁の通知については「弁論が開かれないことは極めて残念だ」と語った。

 20日に出る判決の評価については「厳しいとは分かるが、判決を待ってから話をすべきだろう」と述べた。判決内容については「今日まで判決に従うと申し上げており、今まで通りだ」と繰り返した。

 辺野古代執行訴訟の和解条項9項で県と国は確定判決の「趣旨に従い協力し、誠実に対応する」と規定されていることに触れ「岩礁破砕許可申請などが法規上の要件を充足していない場合でも許可しなればならないことを定めたものではない」と述べ、新たな申請など今後の判断は判決には縛られない考えを強調した。