ヘリ着陸帯 警察、歩道の抗議撮影 大宜味村民「許せない」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【大宜味】米軍北部訓練場のヘリパッド建設で、大宜味村喜如嘉の住民らがプラカードを掲げて歩道に立つだけの抗議行動に対して、警察がビデオカメラで撮影する事態が続いている。弁護士は「違法だ。表現の自由の侵害で、抗議行動を萎縮させる狙いだ」と批判した。県警は「個別の案件については答えを差し控える」とした。

 砂利を運ぶダンプカーに、村内3カ所で住民らが8月、プラカードによる抗議を始めた。喜如嘉では高齢の参加者が多く、意思表示だけにとどめている。大山美佐子喜如嘉区長は「なぜ平和的な行動を撮影するのか。許せない」と憤った。小口幸人弁護士は「控えめなアピールを撮影するのは脅しだ。表現の自由の否定で県議会でも取り上げるべきだ」と批判した。

 一方、県警は喜如嘉の事例には特定せず「出発地点から到着地点までの間で、反対派による飛び出し、寝転びなどの違法行為が行われており、警察は事案の発生に備え、法令・判例を踏まえて適切な警察活動を行っている」とした。