「フーヌイユ 大事な宝」 地域の思い 書で表現 県出身四国大生ら実演


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フーヌイユまつりで書道パフォーマンスをしたかぜまーるの(左から)仲井眞歩加さん、星川遥香さん、宇良樹希さん、玉城千博さん、矢部育実さん=11月27日、国頭村宜名真区公民館

 【国頭】「フーヌイユ 私達を支えてくれた大事な宝 魅力の詰まった 小さな島に 感謝の思いを込めて」-。床に広げられた紙の上で縦横無尽に筆を走らせた。書き終えたころには、顔も手も足も墨で真っ黒になっていた。徳島県の四国大学書道文化学科2年の5人が11月27日、国頭村宜名真の特産シイラ(フーヌイユ)で地域を盛り上げようと開かれた第3回宜名真フーヌイユまつり(同実行委員会主催)で書道パフォーマンスを実施した。「ハッ」という大きな掛け声とともに特大の紙に筆を走らせた。

 名護市出身の宇良樹希さん(20)、南風原町出身の玉城千博さん(20)、那覇市出身の仲井眞歩加さん(20)、北海道出身の星川遥香さん(19)、徳島県出身の矢部育実さん(20)の5人で「かぜまーる」と命名し2015年から徳島県内外で活動している。かぜまーるは助け合いの意味の「ゆいまーる」と北海道の方言で仲間に入れるの意味の「かぜる」を組み合わせてつくった。
 宜名真公民館には5人が思いを込めて書いた作品が約40点展示された。かつて国頭村宜名真から辺戸に向けた唯一の道として利用された山道の「戻る道」、村唯一の酒造所だった宜名真酒造所の泡盛「黄金の露」など、宜名真に関わりのある言葉を並べた。
 宇良さんは「もともとある言葉や方言を大切にしたい。宜名真のおじいちゃんに話を聞いたりして、作品を書いた」と意気込みを見せた。
 玉城さんは「イベントごとに地域の作品を制作している。書道と地域を密着させて、活動を広げていきたい」、仲井眞さんは「地元の沖縄でパフォーマンスができることがうれしい」と語った。
 約70人が訪れ、会場は熱気に包まれた。学生たちの力のこもった実演に目を潤ませて見守る人の姿もあった。宜名真出身の崎山靖子さん(82)は「とても感動した。子どもたちに書道を広げていけたらいい」、辺土名在住の知花辰雄さん(64)は「こんなの初めてだ。また来てほしい」と感想を述べた。