沖縄で自走バス実験 年度内に内閣府 公共交通の利便向上へ


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 【東京】内閣府は車の自動走行技術を活用した新たな公共バスの実証実験を年度内に沖縄で実施すると15日、発表した。将来的には高齢者や障がい者など交通弱者が利用しやすい公共交通システムの構築を目指している。

 自動走行技術の実証実験は、政府が進める「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)の一環。2017年9月~19年3月にかけて首都高速道路や一般道などで大規模な実証実験を予定しているが、それに先だって沖縄では路線バスで実験する。

 公共バスの実証実験は、車いすの人や高齢者が乗り降りしやすいよう、バス停にほぼ隙間なく正確に横付けする機能や、公共バスの利便性、速達性の検証を進める。そのほか、歩行者の携帯端末を使ったルート情報の提供などを進め、移動支援に関する使用感、効果などを検証する。

 内閣府によると、本年度は県内にテストコースを設ける考えで、具体的な場所について県と調整を進めている。次年度以降も予算を計上し、公道を使った実験にもつなげていく方向だ。

 鶴保庸介沖縄担当相は閣議後会見で県内の交通事情に触れつつ「輸送手段の制約がこの国の大きな病巣になっている。ニーズは計り知れない」と意義を語った。