きれいな海いつ戻る 住民ため息…残骸回収 オスプレイ墜落の名護東海岸


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
安部区の住民やボランティアが回収したオスプレイの残骸=25日、沖縄県名護市

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した沖縄県名護市安部の海岸で25日、安部区の住民とボランティアの約20人が海中に残るオスプレイの部品や機体の残骸を回収した。米軍が十分な回収作業をしておらず、とがった金属片など、けがにつながりそうな部品が海中に残されたままになっている。地元住民からは「しばらくこの海は使えない。回収作業は続けないといけない」と嘆く声が漏れた。

 安部に住む荒木汰久治(たくじ)さん(42)ら5人が潜水して墜落現場を確認したところ、サンゴや岩盤が白く傷ついているのが確認された。サルベージ船で引き揚げる際に機体を引きずっていたことが原因とみられる。

機体回収時に破壊された岩盤に、大きな部品が下敷きになっている様子や、破片が刺さったままのウニの姿が確認された。ガラスの破片や小さくとがった金属片などがまだ海の中に残っており、素足で入るとけがの危険性がある。

荒木さんは「残骸で傷だらけとなり(破片が残り)危険な海になってしまった。岩は重機などで動かさないと(下敷きになった)部品を回収できない。一刻も早く元の海に戻すため、回収作業を続ける」と話した。

作業を手伝った宜野湾市嘉数の仲本舜三さんは「こんなにバラバラになった部品を見て墜落ではなく不時着というのはまやかしだ。自分の家の周りもオスプレイが飛んでいるのでお手伝いしたいと思って来た」と話した。

安部に住む70代の女性は「回収されたと言ってるが全然されていない。大きな破片もまだある。もっときれいにしてほしい」と語った。荒木さんらは年明けも回収作業を進める予定で、陸上での分別作業などのボランティアを求めている。