安倍首相「辺野古唯一は不変」 米大統領に推進伝達


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 安倍晋三首相は28日午前(現地時間27日午前)、オバマ米大統領とハワイ・ホノルルの米太平洋軍司令部で会談し、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立て工事再開を伝え「政府として着実に進めていきたい」と作業の進展を誇示した。その上で「辺野古移設が唯一の解決策との立場は不変だ」と改めて辺野古移設推進の立場を強調した。

 来年1月に米大統領がオバマ氏からトランプ氏に交代する前のタイミングで“駆け込み”の格好で移設作業推進を強調したのは、次期政権に対しても普天間の辺野古移設を改めて既定路線と位置付ける狙いがあるとみられる。

 安倍氏はオバマ氏に、普天間の移設を巡り20日に最高裁が県敗訴の判決を言い渡し、翁長雄志知事が埋め立て承認の取り消し処分を取り消したことを受けて、工事を再開したことを報告した。年明けに始める海上作業の開始も念頭に、迅速な作業の推進をアピールした格好だ。

 さらに両首脳は、22日に名護市で返還式を開いた米軍北部訓練場の過半返還についても歓迎した上で、引き続き沖縄の「基地負担の軽減」に取り組んでいくことで改めて一致した。

 米軍属女性暴行殺人事件を受け岸田文雄外相が26日に発表した、米軍属の適用範囲を明確化し縮小する日米地位協定の「補足協定」締結も確認した。

 安倍氏は併せて、名護市東海岸のオスプレイ墜落について遺憾の意を伝えた上で、安全確保と情報提供を求めた。これに対しオバマ氏は、今後の対応について「日本側と緊密に連携する」と応じた。