「足元の素材見直して」 カラムシの自然織り講座 南城


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自然素材で染色したカラムシの原糸を使って、「自然織り」の指導を行う出口富美子さん(左)=南城市玉城字富里の市中央公民館

 【南城】身近に自生する植物を使った織物「自然織り」を習得する「南城自然織コーディネーター養成講座」が7月から月に1度、南城市中央公民館で開かれている。野草木自然織り作家の出口富美子さんが講師を務め、市内外から参加する約10人が学んでいる。

 「自然織り」はカラムシ(苧麻(ちょま))の茎の外皮を裂き乾燥させてできる原糸を使った織物。原糸はフクギの葉やノニの根、木酢液など自然由来の素材で染めて用いる。出口さんが自ら考案した、約40センチ四方の卓上の織機「暮らし織り織り」で、家庭でも気軽に楽しむことができる。

 講座ではコースターやタペストリーなどの模様を形作るための多彩な織り方を学ぶ。2色の横糸を左右から織り進め、糸が出会ったら織り返す手法を「会うは別れ」と名付けるなど、出口さんのユーモアあふれる説明が講座の特徴だ。

 「南城市にはカラムシが身近にたくさん生えている。化学製品から作られる衣服ではなく、足元の素材を見直すことが大事だ」と語る出口さん。「コーディネーターを増やし、自然織りが広まれば市の特産として地域おこしにもつながる」と期待する。

 参加者の小野美穂子さん=与那原町=は「アレルギーで素材によって肌が荒れることがあるので、自然素材のものを生活の中で使いたい。自分で作ったものだと愛着も湧く」と笑顔で語った。