クルーズ世界大手3社、本部・平良・石垣3港に拠点 


この記事を書いた人 志良堂 仁

 【東京】大型クルーズ船を運航する世界シェアの上位2社と、アジア最大のクルーズ船会社を運営する1社が、県内の港にクルーズ船の拠点を整備する方向で検討していることが9日までに分かった。複数の関係者によると、拠点整備の検討が進められているのは本部港、平良港、石垣港の3カ所。各港で岸壁の優先使用を保証することで、周辺の旅客施設や商業施設などに船会社の投資を呼び込み、官民一体で港湾整備を推進する。

石垣島観光に向かうクルーズ船「スーパースターアクエリアス号」の乗客ら(2016年1月)

 国は船舶会社が投資することによって、寄港回数の大幅な増加や継続的な港湾の使用を見込んでいる。拠点整備を検討しているのは、世界シェア48%で1位の「カーニバル・コーポレーション&PLC」(本社・米国、英国)、世界シェア24%で2位の「ロイヤル・カリビアン・クルーズ」(本社・米国)、アジア最大のクルーズ船会社「スタークルーズ」を運営する「ゲンティン香港グループ」(本社・香港)の3社。

 港湾整備は国土交通省が進める「官民連携による国際クルーズ拠点形成計画」の一環で、クルーズ船会社が3カ所の港を管理する県や宮古島、石垣の両市とそれぞれ計画書の作成など、検討を進めている。20日で計画書の提出が締め切られ、国の「官民連携によるクルーズ船拠点形成検討委員会」で検討される。

 海外ではクルーズ船会社によって港湾に旅客施設や商業施設が整備された事例がある。関係者によると、3社は本部、平良、石垣の三つの港をすみ分けて、拠点整備を進める。

 県内への国際クルーズ船の拠点形成を巡っては、11月18日に共同通信社で開かれた加盟社編集局長会議で、講演した菅義偉官房長官が「世界で1番、2番、3番のクルーズ船の会社が日本に拠点を持ちたい、九州・沖縄を中心に拠点をつくらせてほしい、という要請がきている」などと語っていた。(池田哲平)