「寄り添う姿勢見えず」 翁長知事、式典開催の政府を批判


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集会後、記者団の取材に応じる翁長雄志沖縄県知事=22日夜、沖縄県名護市

 沖縄県の翁長雄志知事は22日、米軍北部訓練場の過半返還を記念する式典開催に合わせて同県名護市で開かれた緊急県民集会「欠陥機オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会」に参加した。13日のオスプレイ墜落事故を受けて「重大事故を起こしたオスプレイが東村高江に近い着陸帯で運用されるのは極めて問題」と述べ、オスプレイ配備撤回に向けた決意を改めて強調した。

 中止を求めていた北部訓練場過半返還の政府式典については「政府が式典を強行したのは県民に寄り添う姿勢が全く見えず、沖縄県は出席を取りやめた」と政府の姿勢を批判した。

 墜落事故に抗議した安慶田光男副知事に対しニコルソン在沖米四軍調整官が「操縦士に感謝すべき」と応じたことに言及し「これは良き隣人というわけにはいかない」と在沖米軍の在り方も厳しく非難した。

 北部訓練場の返還式で菅義偉官房長官が沖縄の負担軽減に資するとしたことについて、集会後の取材で「4千ヘクタール返ってくることで沖縄の基地問題が前に進んだと誤解を生じているのではないか。面積だけで物事を考えている。これはやはり機能強化とも考えられ、予定でなかったオスプレイが飛ぶことも考えられる」と反論した。

 今後の政府への取り組みについて集会後に「(政府と)話し合いは必要だろう」と述べ、政府との協議の場を早期に開きたい意向を示した。

 あいさつでは最高裁判決にも言及し「前知事の埋め立て承認の判断を最大限尊重しているが、逆に言えば、私の今後のさまざまな知事権限の行使について幅広い裁量権限を認めたことを意味している。法令にのっとり厳正に審査し、承認変更等の要件を判断していく」と今後の知事権限の行使に改めて意欲を示した。