沖縄産EVの試作開発へ 初の職業訓練法人、車設計の技術者を育成


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 自動車設計のエンジニア(技術者)を育成する沖縄県内初の職業訓練法人・沖縄自動車エンジニア育成協会がこのほど、うるま市川崎に発足した。全国的にエンジニアが不足する中、短期集中育成で県内の雇用創出につなげることが狙い。5年後をめどに県産電気自動車(EV)の試作品開発につなげる。

システムを使い車両設計技術について学ぶ新入社員ら=沖縄県うるま市川崎

 自動車設計に必要な製図から図面の読み方、専門知識などを3カ月かけて学習する。さまざまな条件を仮定しながら設計業務を訓練するソフトを使い、総合的な技術を身に付ける。

 設立には、自動車の設計コンサルタント業務などを担う「エイム」(名古屋市)の支援を受けた。同社が2013年から県内で実施する研修カリキュラムを引き継いだ。当面はエイムの新入社員を対象に、将来的には一般求職者にも門戸を広げる。

 同協会の栄野川猛博代表理事は「自動車の高性能化などを理由に、エンジニアが求められる技術や知識も高度になっている。全国的なエンジニア不足が慢性化している」と厳しい業界の現状を説明する。県内でエンジニアを育成することで「新たな産業を創出し、働く人たちの受け皿になりたい」と強調した。県産EVの製造を目指すエイムと協力し、県内の自動車産業創出を目指しており、栄野川代表理事は「国際物流ハブを使った県産EVのアジア輸出なども考えられる。沖縄の産業を今後盛り上げたい」と抱負を語った。