高江区騒音6.4倍 防衛局測定 年平均値も悪化


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 沖縄防衛局が東村高江の米軍北部訓練場周辺で実施している騒音測定調査で、2012年度以降、60デシベル以上の騒音発生回数が昼夜を問わず激増したほか、測定値の年間平均値も悪化し、周辺住民への騒音被害が年々拡大していることが、20日までに分かった。赤嶺政賢衆院議員(共産)が伊佐真次東村村議(共産)と東村役場を通じて入手した、防衛局作成の12~15年度の騒音測定結果に関する資料により判明した。

 資料によると、ヘリパッドが先行供用されている「N4」地区周辺の牛道集落における15年度の騒音発生回数(暫定値)は昼間(午前7時~午後7時)は2988回、夜間(午後7時~翌午前7時)は552回で、それぞれ12年度と比較して6・4倍、5・4倍だった。「航空機騒音に係る環境基準」で定められたLden(エルデン、時間帯補正等価騒音レベル)も12年度の年間平均37デシベルから13、14年度は40デシベルに増加するなど、周辺住民への負担増加は明らかだ。

 防衛局は15年度の年間データと16年度の4~11月までの暫定値を公表していない。東村と県は7月以降、これらのデータを早急に公表するよう再三要求してきたが、防衛局は「測定機の老朽化に伴い、音の種類の精査に時間を要する」とし、応じていないという。14年度分については15年の8月ごろには公表している。

 暫定値ではあるが、15年度の騒音発生回数は前年度と比較して2・4倍になることから、県や東村の職員からは「年間平均測定値も前年度より高くなる可能性が極めて高い」「北部訓練場の一部返還前には出したくない数値なのだろう」などの声が聞かれた。