家族全員でおいしく アレルギー対応商品販売


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イオン各店で販売されているアレルギー対応商品「やさしごはん」シリーズ=イオン那覇店

 全国の児童生徒の4・5%に食物アレルギーがあるといわれる中、流通大手のイオン琉球が、特定原材料7品目を使用しないアレルギー対応商品を県内で販売している。原因となる食材の混入を防ぐため、専用区域で製造し、家族全員で同じ食事が取れる容量で展開している。アレルギー児を持つ保護者からも「専用工場で作られる安心感がある」と好評だ。

 商品は、プライベートブランド(PB)トップバリュの「やさしごはん」シリーズ。お米以外の主食の幅を広げ、アレンジでいろいろな洋食メニューができるように「パスタ」「ソース」「ミックス粉」の3種類12アイテムをそろえた。

 パスタは小麦やグルテンを使わず、発芽玄米を主原料に、ソースは野菜と米ピューレ、ミックス粉は米を使う。

 食物アレルギーを持つ社員や患者会からヒアリングを行い、要望を反映させた。安心して使ってもらえるよう、全ての商品を特定原材料7品目の持ち込みのない専用区域で製造している。11月中旬から全国展開しており、県内ではイオン6店舗とマックスバリュとよみ、泡瀬店で取り扱う。

 以前、米粉で作ったギョーザの皮を販売したところ、小麦アレルギーでも食べることができたという意見が多く寄せられたことが、アレルギー対応商品の開発のきっかけという。イオントップバリュ商品開発本部H&BC商品部の舘克頼さんは「いろいろな工夫をして限られた食材で料理をしている保護者が、少しでも手間なく、おいしくいろいろなメニューができるシリーズを展開したいと考えた」と語る。

 アレルギー児を持つ保護者からも「献立の幅が広がる」との声が上がる。一方で、医薬品コーナーに商品が陳列されているため、商品に気付きにくい一面も。アレルギー対応沖縄サポートデスクの田村磨理理事は「専用工場で作られるという安心感は大きい。食品売り場に置いてもらえたら、多くの人が手に取りやすいと思う」と提案した。