愛国団体「花瑛塾」 辺野古阻止へ行動 沖縄の現状に憤り


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辺野古新基地建設阻止へ決意を語る花瑛塾の木川智さん(左)と仲村之菊さん=18日、東京都の琉球新報東京支社

 【東京】民族の国際的連帯を目指す愛国団体「花瑛(かえい)塾」の木川智(きかわさとし)塾長(33)と、仲村之菊(みどり)副長(37)は19日までに、琉球新報のインタビューに応じた。両者は「沖縄で起きていることは在日米軍基地の機能強化にほかならない」と話し、名護市辺野古の新基地建設を阻止する活動を活発に展開する決意を示した。今後、来県して阻止活動に参加するほか、東京都内で街宣活動に取り組み、「本土との温度差をなくしたい」と話している。

 花瑛塾は全国最大級の右翼団体を脱退したメンバーら約30人が昨年11月に結成した。木川さん、仲村さんは所属していた右翼団体の幹部クラスだったが、他の幹部との間で日米安保政策への評価を巡って意見に隔たりが大きかったという。

 花瑛塾はメンバーの大半が10~20代で、タイとマレーシアに海外支局を擁し「核なき世界と核なき日本を目指す」ことをスローガンに掲げる。

 木川さんは日米安保条約について「愛国者の立場から言えば、対等な平和条約にすべきだ」と話す。沖縄の米軍基地問題に対し「辺野古も高江も、沖縄の負担軽減ではなく、内実は新基地建設を優先させた施策だ。そもそも海兵隊は日本を守るためにいるのではなく、米国の軍事戦略のために存在する」と指摘した。基地建設が進む沖縄の現状は「沖縄を『捨て石』にした沖縄戦と全く同じやり方だ。愛国者の立場から本当に許せない」と強調した。

 日米安保を支持する右翼団体に対しては「米国と一体化することが強い国だと思い違いをしている。対米従属ではなく、核のない世界を目指す本来の右翼に戻るべきだ」と主張した。

 仲村さんは昨年4回、高江と辺野古を訪問した。「高江で機動隊員が沖縄のおじさん、おばさんたちに暴言を吐いたり、傷つけたりしたのは許せない」と怒りをあらわにした。沖縄へのヘイトスピーチについても「自分で考えるよりも誰かを否定するのが楽だからやっている。自分のストレスをぶつけている」と批判した。基地建設に反対する市民をテロリストに例えるなどした番組「ニュース女子」を放送した東京MXテレビに対する抗議行動にも取り組んでいる。(新垣毅)