教育庁、不十分な初動調査 安慶田副知事辞職


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 安慶田光男前副知事の教員採用試験、県教育庁幹部人事を巡る一連の疑惑について、県教育庁が18、19日に実施した当時の県教育庁幹部への聞き取り調査に瑕疵(かし)がある可能性が出てきた。調査後に当時の県教育庁幹部から疑惑が事実と訴える文書が県教育庁に送られてきたほか、23日の再調査では、元幹部の一人が文書の内容を「事実だった」と認めた。前回の調査に問題があれば、県教育庁の事実解明への姿勢が問われることとなる。

 県教育庁などによると18、19の両日の調査では「(副知事から渡されたとされる)メモを目にしたか」「副知事室に呼ばれたか」などについて、当時の元幹部5人に電話で聞き取った。調査に当たっては、現在の統括監2人が当たり、全員が否定したと平敷昭人県教育長に報告した。

 ただ、この時の調査については調査記録を取っていないといい、具体的にどのような聞き取りが行われたかは、現時点で明らかになっていない。

 調査を受けた元幹部の一人は、統括監にどう回答したか具体的な言及は避けたが「疑惑の事実はないと(県教育庁が)意思決定した。それでいいと思っている」と話すなど、説得めいたやりとりがあったことも推測される。

 複数の取材によると23日の再調査では、文書の内容についての事実関係を確認したという。文書の内容を認めた元幹部は「最初の電話では、認識の違いみたいなものがあったかもしれない」と話した。