攻めの拳 世界へ 東洋太平洋フライ級王者・比嘉大吾 21歳 KO街道まっしぐら


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東洋太平洋フライ級タイトルマッチ鮮やかな左ストレートを決める比嘉大吾(左)=2016年11月5日、東京・後楽園ホール

 沸き立つ熱狂のど真ん中、乾いた血しぶきが染み込むリングの上に比嘉大吾(宮古工業高出―白井・具志堅スポーツジム)は立つ。対戦者の肉体に立て続けに繰り出す拳が鈍い音を立てる。デビューから2年半、11試合全てをノックアウト(KO)勝利で駆け上がる。日本で今、世界タイトルに最も近い21歳だ。

 幸運な出会いも今の比嘉をつくる。浦添市の仲西中からボクシングのため進学した宮古工業高で、知念健次監督に伝授された「とにかく攻めるスタイル」が始まりだった。中学時代に憧れた元世界チャンピオンの具志堅用高氏にはこのプロ向きの攻撃性を評価され、スカウトされた。具志堅氏に「私の現役時代より強い」と言わしめる。

 世界タイトルとともに、連続KO記録に注目が集まる中「気付いたら気を失ってる」かもしれない恐怖が時折、顔をのぞかせる。分かっているのは「練習だけはやっておく。(試合が)来たらやるしかない」ということだけだ。

 「世界はいつか取れる。ただ、21歳で取りたい」。次の誕生日まであと7カ月、具志堅氏と同じ21歳での世界タイトル獲得を待ちながら、牙を研ぐ。
文・写真 石井恭子

 ひが・だいご
 1995年8月9日、浦添市宮城出身。仲西中卒業後、宮古工業高へ進学。3年で東京国体少年フライ級8強。2014年6月に18歳でプロデビュー。15年7月、敵地タイで同国のCPフレッシュマートに7回KO勝利を収め、WBCユースフライ級王者に。16年7月に東洋太平洋フライ級王者、同年11月に初防衛。11戦11勝(11KO)。白井・具志堅スポーツジム所属。右ファイター。

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