保育所82%が黒字 沖縄県内15年度、16年建築は50棟超 市場拡大で増益が66%


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 東京商工リサーチ沖縄支店は30日、同社のデータベースに収録されている沖縄県内の保育所運営事業者の経済動向について発表した。収録されている事業者186社のうち、売上高などを公開していない事業者を除き、2015年度に黒字だったのは180社中148社で、全体の82・2%を占めた。売上高トップはハイジ福祉会(浦添市)の8億6623万円だった。待機児童が社会問題になる中、保育所市場は拡大傾向にあり、16年の1年間で建築された保育所は50棟を超えている。

 186社を法人格別で見ると、社会福祉法人が180社と全体の96・8%を占めた。補助金など制度資金を受けられる認可事業者として登録することが定着していることが背景にある。

 設立の最長はわかば保育園を運営するわかば友の会(那覇市)で、今年で設立48年を迎える。16年1~10月にかけて、保育事業を目的に新設した法人は88社あった。

 黒字事業者のうち、収益の最高額は9967万円で、1億円を超えた事業者はなく、1千万円未満が最多の83社で、全体の45・4%を占めた。

 2期連続黒字で増益となったのは69社、前期赤字から黒字転換したのは29社で、黒字事業者の66%となる計98社が増益となった。売上高では、1億~3億円未満が最多の140社で、増収となった事業者は126社だった。

 保育所事業者の黒字率は、県内の普通法人の黒字率(37・4%)を44・8ポイント上回っており、東京商工リサーチ沖縄支店は「認可保育所がほとんどを占める保育所事業者の収益環境は非常に良好な状態と言える」と指摘した。