子ども食堂 ライブ支援 ロックバンドのアフタービーツ 料金は「余ったお歳暮」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ライブに賛同し、集まった食料を前に歌うアフタービーツの嘉陽田尚行さん(右)=1月28日、沖縄市のミュージックバーF

 【沖縄】主に沖縄市で活動しているロックバンドのアフタービーツは1月28日、子ども食堂支援ライブ「おおきな木」を沖縄市のミュージックバーFで開いた。チャレンジド・サポート沖縄と共催した。ライブチャージを余ったお歳暮で払うという取り組みで、集まった食材はももやま子ども食堂や子どもフードバンク沖縄などに贈られる。大きな木ライブは今回で4回目。企画したアフタービーツの嘉陽田尚行さん(44)は「自分たちが楽しむことで社会貢献ができる」と手応えを感じている。

 嘉陽田さんは、もともと子どもの貧困や孤食に関心を持っていた。自宅に余っていたお歳暮を見て「子ども食堂に提供することができないか」と考えた。これまで関心は持っていたものの、具体的にどうすればいいのか分からなかった。ライブをするときに払うチャージをお金ではなく、余った食料にして子ども食堂に寄付しようと思いついた。

 「賛同するミュージシャンは多い」と嘉陽田さんは活動を振り返る。第4回に出演したシンガー・ソングライターのEYOKOさんは勤め先の豊見城市社会福祉協議会での経験を紹介した。「このように協力してくれる人がいるのはうれしい。一人一人の大人が一人一人の子どもに気に掛けることがいい社会をつくる」と話した。

 初回から毎回ライブに訪れている嘉数喜美子さん(55)は「子どもは社会で育てるのが本当の姿。お歳暮やお中元を持って行くだけで参加できる。いいことなのでもっと広がってほしい」と語った。

 「おおきな木」ライブは2015年の冬から始めた。お中元がある夏、お歳暮がある冬の年2回開催してきた。嘉陽田さんは「楽しむことができるから、続けることができる。今では県外からも食料が届く」と活動の意義を語る。コザの街に鳴り響く音楽が希望の糧を集める。嘉陽田さんは夏に開催する第5回に向けて動き出している。