自力完走、頑張ったね 1500グラムで誕生、ダウン症の西江眞心ちゃん


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 【伊江】「まこ、がんばれ! がんばれ!」の大声援に応えてグラウンドを駆け抜けたダウン症の西江眞心(まこ)ちゃん(6)。伊江村立伊江幼稚園に通う眞心ちゃんは、1月23日に行われた同幼稚園・小学校校内持久走大会で伴走者なしで、自身の力でトラック1周(200メートル)を完走し、ゴールのテープを切った。「まこちゃん、ゴール!」の声が響き渡るグラウンドは感動の渦に包まれた。

持久走大会で完走した西江眞心ちゃん(前列右から2人目)と幼稚園の仲間=1月23日、伊江村立伊江小学校グラウンド

 眞心ちゃんは体重1500グラムで産声を上げた。心臓に穴が開いているという診断を受けた。生後2日、心不全を発症し、NICU(新生児集中治療室)で約1カ月間入院した。半年後に心臓の穴をふさぐ手術を受けた。今では大きな病気もせず、運動制限もない。毎日元気よく、11人の仲間と幼稚園生活を楽しんでいる。

 玉城いつ子幼稚園教諭は「皆さんの応援で、黙々と走って頑張った」と話す。ゴールした眞心ちゃんは「うれしい」と満面の笑みを見せ、完走カードを手に大喜びだ。

 ゴール前ではビデオカメラを構え、わが子の姿を見守る母・康美さん(46)の姿があった。康美さんは「生まれてから退院する日までのつらかったことは全部忘れた。幸せ。皆さんに育ててもらって感謝している」と涙を拭った。

 眞心ちゃんは4人きょうだいの末っ子だ。元旦には大好きな姉と手をつなぎ、地元のマラソン大会の1キロの部に初挑戦し、完走した。4月には併設する伊江小学校の門をくぐる。

(中川廣江通信員)