辺野古新基地、海上工事あす着手 大型特殊船が沖縄近海に


この記事を書いた人 新里 哲
掘削調査を再開するため辺野古海域に向かう大型特殊船「ポセイドン1」=4日午後1時30分、糸満市喜屋武岬の南西約10キロ沖合(本社チャーター船から花城太撮影)

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、辺野古沖の海底ボーリング(掘削)調査で使用される大型特殊船「ポセイドン1」(4015トン)が4日、沖縄近海に到着した。政府は6日に海上の本体工事に着手し、掘削調査や海底への大型コンクリートブロック投下などを順次進める予定だ。埋め立て承認取り消しを巡る代執行訴訟で国と県の和解が成立し、工事が中断した昨年3月以来、作業が本格化する。

 「ポセイドン1」は4日午前6時ごろに那覇港に入港し、約1時間半後に出港した。出港後は糸満市の喜屋武岬沖を折り返して本島の東側に回り、辺野古へ向かった。船の後部に10個以上のコンテナを積んでいるのが確認できた。5日に辺野古沖に着く見込み。

 掘削調査は24地点中23地点で終えており、残りは1カ所となっている。ブロックは、護岸工事の着手前に設置する汚濁防止膜を固定するためのもので、重量11・2~13・9トンのブロックを4地点に合計228個投下する予定。

 関連工事は昨年12月27日から再開しており、政府は約1カ月の作業で臨時制限区域に沿って浮具(フロート)を設置し、その間にロープや網を張った。建設を止めようとする市民のカヌーや抗議船が近づくのを防ぐ狙いがあるとみられる。

 「ポセイドン1」を保有する深田サルベージ建設(大阪市)のホームページによると、同船は動揺減衰装置を付けたクレーンを設置しており、揺れの影響を抑えながら作業を進めることができる。海面下3千メートルまで海底掘削調査が可能で、日本の民間企業では同社が初めて運用した。