沖縄考古学に功績 新田重清氏に東恩納寛惇賞


この記事を書いた人 志良堂 仁
第34回東恩納寛惇賞贈呈式で琉球新報社の富田詢一社長(左)から賞状を受け取る新田重清氏=24日、那覇市の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ

 第34回東恩納寛惇賞(主催・琉球新報社、後援・第一書房=東京都)の贈呈式が24日、那覇市前島の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで行われた。沖縄考古学研究の深化と発展に貢献した元沖縄考古学会会長の新田重清(じゅうせい)氏(84)=糸満市=に、琉球新報社の富田詢一社長が賞状とトロフィー、賞金を手渡し、第一書房からは賞金が贈られた。

 同賞は沖縄を対象にした研究で顕著な業績を挙げた研究者に贈られる。新田氏は県内各地で遺跡発掘調査に関わり、浦添貝塚での「市来式土器」発見や沖縄先史時代における農耕文化の提起などの実績を残した。
 新田氏は記念講演の中で自らの研究人生を振り返り、考古学の道に進んだきっかけや沖縄社会に大きな反響を呼んだ市来式土器の発見時のエピソードなどを語った。富田社長は「受賞を機に、今後も一層活躍されることをご期待申し上げる」と賛辞を贈った。贈呈式の後には祝賀会も開かれた。