沖縄県のふるさと納税最高額 返礼品廃止でも16年度は1.7倍超、翁長県政で増加傾向


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 好きな自治体に寄付をすると住んでいる地域の住民税や所得税が軽くなる「ふるさと納税」で、沖縄県への寄付(美(ちゅ)ら島ゆいまーる寄付金)が増えている。2016年度は、昨年12月末の時点で納税額が15年度合計の約1・75倍(約3408万円増)の7934万4980円となり、過去最高を更新した。県税務課によると、辺野古新基地建設に反対する翁長雄志知事の就任以降、寄付が増加しているほか、16年度は100万円以上の大口寄付があったことが主な要因となっている。

 ふるさと納税の寄付金集めで返礼品競争が全国で起き、総務省は是正策を検討している。沖縄県はこれまで実施してきた県産品などの返礼品を16年1月から廃止した。それでも寄付額が増加傾向にあることについて、税務課は認知度向上を挙げ「返礼品目当てでない純粋な寄付金はありがたい」と話している。

 16年12月末の寄付件数は、15年度比313件減の541件だった。うち個人は314件減の537件だが、額は約1・72倍(約3232万円増)の7723万2177円に増えた。法人は1増の4件で、約5・93倍(約176万円増)の211万2803円だった。

 大口寄付は15年度に5件だったが、16年度12月末までに9件あった。寄付者の詳細は公開していないが、97%が県外で2回以上寄付する人も多い。翁長知事の政治姿勢に賛同し「海を守ってほしい」「平和活動のために」「子どもの貧困に役立てて」などのメッセージが寄せられているという。

 ふるさと納税は県が自由に使える一般財源となる。16年12月末現在の県へのふるさと納税額は、県の17年度当初予算案に計上される辺野古新基地建設問題対策事業5627万9千円を超えるなど、一つの県事業を実施できる額だ。

英文へ→Furusato taxes reach record high, continuing to rise since Onaga administration