レキサス、米大手と連携 エヌビディアとパートナー認定 AI開発を強化


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
人工知能技術開発へ意欲を見せる(左から)常磐木龍治事業推進部マネジャーと安田陽さん=28日、琉球新報社

 世界的に急成長している人工知能(AI)開発への取り組みを強化しようと、システム開発のレキサス(うるま市、比屋根隆社長)は2月27日付で、コンピューターグラフィックス(CG)処理向け半導体大手の米エヌビディアからパートナー企業に認定されたと発表した。国内での認定は21社目。レキサスは医療用で途上国向けに計画するエコー画像を使った病名判断や、フォトアルバムの作成サービスにAIを活用する。将来的には沖縄の交通渋滞など社会問題の解決でも活用を展望している。

 レキサスが認定を受けたのは、AI開発で革新的な企業をエヌビディアが支援する「インセプション・プログラム」制度。AIを動作させるハードウエアの付与や、AI技術で注目されている膨大なデータを学習して判断能力を高める「ディープラーニング」技術者の教育、マーケティング支援、500万ドルを上限とした事業支援などが受けられる。

 エヌビディアはCG処理用半導体(GPU)の開発・販売で知られ、世界のAI開発を主導する先端企業。大量のグラフィックデータを並列処理するGPUの特性が、大量の画像や音声、空間の認識・判断・処理が必要なAIに合っているとして注目が高まっている。

 レキサスは認定を受け、AI研究を加速させる。3月には医師などの医療人材が少ない途上国向けにエコー画像の診断装置の販売を予定しており、AIを使い医師に代わってオンラインで病名を診断する機能の実装を目指す。

 現在AIによる自動運転車の基礎研究も始めている。県内でも自動運転が広がれば、車の流れがスムーズになり深刻な課題である渋滞の緩和につながる可能性があり、ノウハウの蓄積を続けていく。

 レキサスの常盤木(ときわぎ)龍治事業推進部マネージャーは「大量のデータ処理や分類を得意とするAIやディープラーニング技術を活用すれば、複雑な社会問題の解決もできるようになる」と話し、技術革新を進める意欲を示した。