沖縄の肉用牛生産200億円超 16年、子牛価格が上昇


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 2016年の県内肉用牛の産出額が、初めて200億円を突破する見込みであることが、17日までに県畜産課の試算で分かった。豚が1985年に195億円に達した例があるが、肉用牛はこれを超える見込みで畜産分野として初の大台突破となる。同日糸満市の南部家畜市場であった競りでは、雌の子牛が県内市場で過去最高となる200万5千円で取引され、肉用牛市場は活発な取引が続いている。

 1品目で200億円を超えるのはサトウキビなどの耕種品目も含めて2005年以降なく、農業産出額増加の契機となりそうだ。

 推計はJAおきなわが2016年末に発表した県内家畜市場の子牛の取引実績を基に、肥育牛などの市場規模を踏まえて試算した。推計228億円と見込んでいる。県内肉用牛産出額の中心となる子牛の平均価格が上昇を続けていることが産出額増加の要因だ。県の島尻勝広農林水産部長は「当面の目標とする農業産出額1千億円の弾みにもなる」と期待した。(知念征尚)