車載リチウムイオン電池のコスト、2025年までに7割低下も

車載リチウムイオン電池のコスト、2025年までに7割低下も
7月11日、コンサルティング会社マッキンゼーは、電気自動車(EV)に搭載されるリチウムイオン電池のコストが、2025年までに約70%下がる可能性があるとの見方を示した。写真は米フォードのEV車「フォーカス・エレクトリック」。ジュネーブで3月撮影(2012年 ロイター/Denis Balibouse)
[11日 ロイター] コンサルティング会社マッキンゼーは11日発表したリポートで、電気自動車(EV)に搭載されるリチウムイオン電池のコストが、2025年までに約70%下がる可能性があるとの見方を示した。
同リポートは、原油高と厳しい燃費規制で自動車メーカーがハイブリッド車や電気自動車の生産を増やすのに伴い、リチウムイオン電池は量産化によってコストが下がると指摘。また、米アップルのような家電メーカーが開発する新技術の採用もリチウムイオン電池のコスト低下に寄与するとしている。
リチウムイオン電池のコストは現在1キロワットアワー(kWh)当たり500─600ドル(約4万―5万円)だが、2020年には同200ドル前後、2025年には同160ドルまで下がるという。
アナリストらは、EV普及の最大のハードルの1つは電池コストだと指摘しているが、仮にガソリン価格が1ガロン当たり3.50ドル以上で今後も推移した場合、自動車メーカーが車載電池を1kWh当たり250ドルで調達できれば、電気自動車はエンジン車並みの価格競争力を持つようになる。
米フォードのムラリー最高経営責任者(CEO)は今年4月、同社初の電気自動車「フォーカス・エレクトリック」に搭載する容量23kWhの電池のコストは1万2000─1万5000ドルと発表。これを1kWh当たりに単純換算すれば、フォードが車載電池に支払ったコストは最大652ドルとなる。
リポート執筆に携わったマッキンゼーのラッセル・ヘンスリー氏は、インタビューで「(燃費)規制は世界中でますます厳しくなっている」とし、2020年代の半ばまでには、エンジン車では達成が難しい新基準が設けられるとの見方を示した。

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