よく起こりそうな誤表記を、最近の例からいくつか、ご紹介します。

これらはいずれも、ありがちな間違いポイントで、意識して確認する必要がある箇所です。

「年月」と「歳月」

木下恵介監督の映画の題名「喜びも悲しみも幾年月」。これはよくみかける間違いです。

題名の読み方は「……いくとしつき」ですが、漢字表記は「幾歳月」と、「とし」は「年」ではなく「歳」になっています。

同様に記事などで触れられることの多い作品の「幸せの黄色いハンカチ」という間違いについても以前取り上げたことがあります。

いずれも、とても有名な作品なため記憶に頼ってしまい、かえって作品名を調べ直さないことが多いと思われることも原因でしょう。
 

「鳥山」と「烏山」

 

在韓米空軍基地があるのは「烏山」(オサン)。日本でも「烏山」(からすやま)という地名が栃木県や東京都世田谷区などにあります。「烏」は「鳥」の上部の横棒が一本ないだけの字で、カラスの体が黒いため遠目ではどこにあるかわからない目の部分を「鳥」から引いて作られたとされています。極めて似ている字なので、そういう地名と知らずに見たら「鳥山」だと思ってしまっても不思議はありません。


栃木県那須烏山市にある烏山駅 by Twilight2640

「ビーグル」と「ビークル」

線路と道路の両方を走行できる「デュアル・モード・ビーグル」って……?

「ビーグル」(Beagle)といえば犬の種類。あの「スヌーピー」もビーグル犬だそうです。

この場合は正しくは「ビークル」(Vehicle)。乗り物・車両という意味で、身近になってきた電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)などの「V」はこの「ビークル」の頭文字です。


JR北海道の「DMV」 by

犬といえば「人間ドッグ」(→◯ドック)もありがちですが、カタカナ語での濁点の有無など細かい間違いはけっこう多くあります。こういったミスの困ったところは、別のものを示す単語に変わり、妙な意味合いを醸し出してしまう場合があることでしょうか。

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