プレスリリース

プリント

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)による
深海探査機海中映像の伝送実験の実施およびその一般公開について

平成21年10月13日

宇宙航空研究開発機構
海洋研究開発機構

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を使用し、深海生物追跡調査ロボット「PICASSO」(ピカソ)によって撮影する海中映像を、本年就航20周年を迎えた学術研究船「白鳳丸」からリアルタイム中継する洋上船舶伝送実験を実施し、その様子を一般公開しますのでお知らせいたします。

 本実験は、JAXAとJAMSTECとの共同研究プロジェクトである「WINDSを利用した深海探査機映像の伝送実験」の一環で、東京海洋大学の協力を得て行うものです。「きずな」の可搬型地球局(小型アンテナ)を学術研究船「白鳳丸」に設置し、深海生物追跡調査ロボット「PICASSO」によって撮影した海中ハイビジョン映像と標準画質3チャンネル映像(計4チャンネル映像)を、JAXA筑波宇宙センターおよびJAMSTEC横浜研究所にリアルタイム中継します。

 また、白鳳丸に乗船したJAMSTECの海洋生物学者と、筑波宇宙センターおよびJAMSTEC横浜研究所に訪れた一般参加者との間をテレビ会議でつなぎ、船からの遠隔海洋教室を行います。
 これらの実験により、洋上船舶から「きずな」を使って高速通信が出来ることを実証します。

 この実験により、海洋観測船が調査によって取得した海洋観測データや深海のハイビジョン映像等を、リアルタイムに入手できるようになるための要素技術開発が推進されると考えられます。

  1. 実験
    (1)実施日  平成21年10月15日(木)~10月17日(土)
    (2)場所  神奈川県三浦半島沖の金田湾(白鳳丸)、JAXA筑波宇宙センター、JAMSTEC横浜研究所
    (3)実験目的
     本実験においては、洋上の船舶から海中ハイビジョン映像などを「きずな」によってリアルタイムに安定して中継できることを実証し、洋上船舶からの広帯域通信や遠隔操作を可能とする技術的知見を得ることを目的としております。
     現状、インマルサットBGANサービスでは最大492kbpsや、スカパーJSATの衛星海洋ブロードバンドサービスでは最大3Mbps(日本近海のサービスエリア)の通信速度ですが、「きずな」では最大155Mbpsの通信速度を可能としています。

  2. 実験一般公開
    (1)実施日時   平成21年10月17日(土) 10:00~16:00
    (2)公開場所   JAXA筑波宇宙センター  総合開発推進棟1F 大会議室 「宇宙の日 特別公開」内
    http://www.jaxa.jp/visit/tsukuba/index_j.html
    JAMSTEC横浜研究所  地球情報館 休日開館デー 特別イベント
    http://www.jamstec.go.jp/j/pr/esm_sat_open/index.html
    (3)イベント概要
     各会場では「きずな」によってリアルタイム中継されたハイビジョンの海中映像等を大型モニタで表示します。また、白鳳丸、JAXA筑波宇宙センター、JAMSTEC横浜研究所の3地点を「きずな」経由のテレビ会議で接続し、白鳳丸に乗船している海洋生物学者と一般来場者との間で説明や質疑応答など遠隔海洋教室を行います。
     (天候等の条件によっては、海中ハイビジョン映像を放映できない場合があります。ご了承ください。)

    (4)映像伝送スケジュール(時間につきましては、多少前後する場合がありますのでご了承ください。)

    (1)10:50~11:30 (40分間)
    (2)12:30~13:10 (40分間)
    (3)14:15~15:00 (45分間)




【通信実験概要図】


【実験予定海域】
三浦半島沖の金田湾が実験予定海域。船(赤)のイラスト付近の海域にて実施。