「いろいろな噂もあるが」米Twitter創業者が買収を否定


 株式会社デジタルガレージは15日、ミニブログサービス「Twitter」のイベント「Tweetup Tokyo 09 Fall」を都内で開催した。会場となった恵比寿ガーデンプレイス内のザ・ガーデンルームには、ユーザーや関係者など約400人が集まった。

技術の勝利ではなく、人間性の勝利

米Twitterのビズ・ストーン氏

 イベントでは、米Twitter共同創業者の1人であるビズ・ストーン氏が来日し、「Twitter」誕生の経緯や今後の展開について説明した。

 ストーン氏は、Twitterの発想はチャットから来ていると話す。「“状況”だけでサービスになる」と思い、プロトタイプを2週間で作ったという。サービスインした後の評判は、「楽しいけど、役に立たないと言われた」。

 それでもユーザーは増えていき、「創業者たちも驚くほど」の状況だったと振り返る。ストーン氏は、あるカンファレンスでの出来事を語った。「講演開始直後に多くの人が会場を静かに出て行った。調べた結果、Twitterで『この講演は面白くないので他に行くべき』と書かれていた」。

 さらにTwitterのユーザー数が拡大し、その結果起きた出来事として、山火事や地震、ガソリン不足などの際にユーザーの投稿が役に立ったことを紹介。情報伝達の即時性をアピールした。ただし、ストーン氏はTwitterの技術が勝利したのではなく、必要な情報を早く伝え、多くの人と共有したい、役立てて欲しいという「人間性の勝利」だと語った。

 今後については、Twitterによって生まれた「多様性のあるエコシステム」を大事にしていくこと、「携帯電話へのフォーカス」を引き続き行うことを挙げた。ストーン氏は、「オープンな情報交換はグローバルで前向きな影響を与える」と語ったほか、Twitter社については、「いろいろな噂もあるが、我々は永続的な価値のある会社にしていきたい」とし、買収は望まないと明言した。

Twitterが活用された出来事さまざまな企業でも活用されていることをアピールスピーチ終了後もメディアからの取材を受けるストーン氏


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(野津 誠)

2009/10/16 16:55