岩本隆史の日記帳(アーカイブ)

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その昔、ILL BONEというバンドがあってだな

私はILL BONEが大好きだった。といっても、好きになったのは解散後だが。

高校時分、YBO2というバンドを好きになったのがきっかけで、そのYBO2を率いる北村昌士が主宰していたインディーズレーベル・トランスレコードのオムニバスCD『Trans Craze』(1989年)を買った。CDにはILL BONEの「死者」という曲が収録されていて、一発で気に入った。

変態的なギター、控えめながらツボをついてくるベース、手数のわりにタイトなドラム、青臭いボーカル、どれも好きだった。が、なにより歌詞が素晴らしいと思った。現代詩としても評価しうるのではないか、と(偉そうだな)。

歌詞を書いていたボーカルの中田潤はその後フリーライターとなった。宮崎哲弥が名をあげた雑誌「宝島30」にも執筆していたのを覚えている。

ドラムの箕輪は北村昌士とバンド・Canis Lupusを組み、アルバムを3枚リリースしている。3枚目の収録曲「天使」は評価が高いようで、のちにヤマジカズヒデにカバーされた。

ILL BONEはトランスレコードからミニアルバム『死者』(1984年)をリリースしている。同名曲が5年後の『Trans Craze』に収録されたわけだ。この頃にはもう、ILL BONEはなかったはずだ。

『死者』は、トランスレコードの後に北村が主宰したレーベル・SSEからCDで再発された(1992年)。「ILL BONE / 死者 : ジャズ侍の無節操三昧」によれば500枚限定らしいが、当時は普通に買えたけどな(持っていることを暗に自慢している)。

CDで再発される際、ボーナストラック「Numberless Land」が追加された。この歌詞も凄まじい。

CD化にあたっては中田には何の連絡もなかったようだ。

ILL BONEの前身バンド「造反医学」についても中田は書いている。