iMac発表会レポート

 六本木のラフォーレミュージアムでの発表会の模様をRealVideoでお届けします。ご利用の通信速度に合わせて、ISDNもしくは28.8kbpsのいずれかをご利用ください

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'98年8月29日発表会開催

  アップルコンピュータ株式会社は8月29日、iMac発売イベントと同時に、六本木のラフォーレミュージアムで発表会を開催した。発表会は3部構成で、第1部が原田社長の挨拶に続くビジネスパートナーの紹介、第2部は衛星を使用してのiMac発売イベント中継、第3部では原田社長が今後のビジネス戦略について述べた。


■原田社長は既定路線を繰り返すにとどまる

 アップルコンピュータの原田社長はつごう2度、今後の事業戦略などについて述べた。最初は軽装で、3時の発売イベント後の2度目はビジネススーツで登壇した原田氏だが、「コアとするプロシューママーケットの拡大」、iMacで象徴される新しい製品による「新たなコンシューママーケットの創出」、「グローバルスタンダード・インフラの構築(おもに世界的規模での生産・流通システムの構築のことを指すと思われる)」など既定路線について改めて述べるにとどまり、期待された直販開始についての具体的な発表などはなかった。また、同社が'99年に発売すると言われるコンシューマー向けのポータブルなMacintoshについても、時期、仕様、デザインなどについての話はとくになく、予定を図版で示唆するにとどまった。
 唯一具体的といえるのは、iMac向けの製品開発について、ソフトが50本(ワールドワイドでは460本以上)、USB機器50機種を予定していると述べたことだ。ただしUSB機器についてこれまでのアップルの発表では、USBケーブルやHUBなども含まれており、プリンタやスキャナ、外部ドライブなどの周辺機器が何機種予定されているのか、この数字だけでははっきりしない。


■ビジネスパートナーの紹介

 アップルのビジネス・パートナーの挨拶では、流通のパートナーとして島村楽器の島村社長、亜土電子の金山社長が壇上に上がった。島村社長は「当社は以前から音楽教室を開催するなど、新たな需要を喚起するソリューション型の販売を行なってきた。そのスタイルがアップルさんの戦略と合致したということだと思う」と述べ、音楽を楽しむコンピュータとしてのMacをユーザーに提示していくとの方針を示した。また、金山社長は直営店のT-ZONEで長くMacを扱ってきた経験から「数年前にAppleが無くなるといったのは誰だったか」と、アップルについて悲観的な見方が多かったことをちくりとなじったが、「iMacは非常に魅力あるマシン。よりお客様の役に立つようなコンセプトを創造していけるマシン」であると述べ、iMac販売への意欲を見せた。

 続いてソフトウェアベンターの代表として、9月4日に「Office 98 for Mac」の発売を控えたマイクロソフト会長の古川氏、9月18日に「ATOK11 for Macintosh R.1.1」を発売するジャストシステム社長の浮川氏が紹介された。

 古川氏は「アップルとマイクロソフトは新しい時代を迎えた」として、背広とワイシャツを脱ぎ、同社の製品とMac OSを組み合わせたTシャツを披露、会場の喝采を浴びた。またMACWORLD/New Yorkでマイクロソフト製品バンドルに対する会場のブーイングに、ジョブズ氏が“もうそういう対立はやめようじゃないか”、として「I like it, I use it」と言ったエピソードを披露。「アップルのFireWireはIEEE-1394という標準規格となって今後のWindows機に装備され、DTVなどに使われてコンピュータ文化をさらに豊かにしていく。同様に、Windowsの世界で育ち、標準となったOffice製品をMacの世界でも使ってほしい」と、マイクロソフトとアップルの対立という図式が過去のものであることを強調するとともに、Office 98をアピールした。

マイクロソフト 古川会長スピーチ

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マイクロソフト
古川会長スピーチ

   続いて壇上に上がった浮川氏は、「古川さんのようなパフォーマンスはできませんが」としながら「スリムになったんです」と演壇の脇に立ち、「会社もスリムになりましたが、筋肉は残します」として会場を沸かせた。浮川氏はMacについて、「Macはユーザーだけでなく“ファン”がいるマシン。それだけ人間が親しみやすいものだということだ。われわれもコンピュータがもっと人間の身近になる、ということを考えてきた。アップルさんと協力して、より親しみやすい、使いやすいソフトを作っていきたい」と述べた。

ジャストシステム浮川社長スピーチ

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ジャストシステム 浮川社長スピーチ


■発売イベント

 午後3時直前、発表会会場ではスクリーン上でカウントダウンが開始され、壇上に置かれたiMacの脇に原田社長が立ち、3時ぴったりにiMacの電源を投入。iMacの画面に“Say hello to iMac”と表示されると、会場は拍手に包まれた。その後札幌、福岡、大阪の販売店前との同時中継で、各地の販売開始状況が購入客へのインタビューなども交えてレポートされた。

iMac発売開始カウントダウン

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iMac発売開始カウントダウン


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【8月17日~29日】iMac関連記事インデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980817/imac_i.htm

('98年8月29日)

[Reported by hiroe@impress.co.jp / taira@impress.co.jp]


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