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性犯罪以外も出所情報、大阪府警が要求 子ども狙う犯罪

2007年02月05日09時58分

 子どもを狙った暴力的性犯罪に及んだ受刑者について、法務省が出所後の帰住予定地を含む出所情報を警察に提供している制度で、大阪府警は性犯罪以外でも子どもを狙った悪質な犯罪を繰り返した受刑者については、制度上の特例として警察庁を通じて法務省に出所情報の提供を求めることを決めた。大阪府八尾市で1月中旬、子どもを連れ去る事件を繰り返し起こしていた男が歩道橋から男児を投げ落とし、重傷を負わせた事件が起こったことを受けて判断した。子どもに対する性犯罪の前歴のない者について情報提供を求めるのは05年の制度開始以来、全国の都道府県警で初めて。

 警察庁は奈良市の女児誘拐殺害事件を機に、05年6月から、子どもを狙った暴力的性犯罪を犯し、禁固以上の刑を受けた者を「再犯防止措置対象者」として登録する制度を始めた。

 登録されれば、法務省が刑務所からの出所日や帰住予定地、収容中の様子などの出所情報を提供し、都道府県警を通じて帰住予定地の警察署に伝えられる。署は定期的に出所者の所在の確認などを行う。

 しかし、制度の対象は原則として、13歳未満の子どもに対する強制わいせつ▽強姦(ごうかん)▽強盗強姦▽わいせつ目的略取・誘拐のいずれかの罪(いずれも未遂を含む)を犯し、禁固以上の刑を受けている者に限られ、この4罪種の前歴がない者が対象者として登録された例はない。

 八尾市では1月17日、通りがかりの男児(3)が歩道橋から投げ落とされて重傷を負う事件があり、知的障害者らの授産施設に通う吉岡一郎容疑者(41)が殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。

 吉岡容疑者はこれまで繰り返し子どもを連れ去る事件を起こし、87年7月〜00年3月の間に計6回逮捕され、うち4回の有罪判決を受けたが、出所情報提供制度の対象となる性犯罪4罪種の前歴はなく、今回の逮捕容疑となった殺人未遂罪も4罪種に含まれていない。

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