まだ未完成でその全貌が明らかにはなっていないChrome OSですが、仮想マシン上でChromeOSを試す方法を以前に紹介しました。このChrome OSをUSBメモリから走らせる方法もあるそうあので、そちらをご紹介。

始めに始めに言っておくと、Chrome OSはまだ開発段階です。動かない機能もあります。場合によっては全く動かない可能性もあります。またChrome OSはネットブック向けにかなりシンプルにデザインされているので、OSを起動した際に立ち上がるのはウェブブラウザだけで、ネットを見たり、メールを送ったりなどの簡単な作業を基本的に行うことを想定しています。

 

■必要条件

言うまでもないですが、まずUSBメモリが必要です。ディスクイメージの大きさは2,988,442,112バイトなので、4Gくらいの容量が必要となるかと思います。USBメモリに削除したくないファイルがある場合、この作業を始める前にどこかへコピーしておいて下さい。この作業を行うとUSBドライブの全てのデータが削除されますので十分に注意して下さい!

またUSBドライブからのブートを許可しているコンピュータが必要です。また、通常の場合のようにハードドライブからではなくUSBドライブから起動するようにコンピュータのBIOSへ指示を出す必要があります。

パソコンを立ち上げるとブートメニューを起動する方法が表示されます(たいていのPCではF8かF12)。スクロールが早すぎる場合、Pauseキーを押してブートシーケンスを一時停止出来る場合もあります。ブートメニューキーがある場合は、そのキーを押します。ブートメニューキーがない場合、USBドライブから起動できるようにBIOS設定の編集を行います。このやり方に関してはパソコン(またはマザーボード)のマニュアルを参照してください。

ハードウェアの種類によってはChromium OSは作動しない場合もあります。ASUSマザーボードを使用した自作パソコンではうまく動きましたが、Dellのノートパソコンの方ではネットワークアダプターがが認識されませんでした。ネットワークアダプターも必須アイテムの一つなので、ネットアダプターが認識されない場合、ここまでの作業は残念ながら水の泡、ということになります。

その後、Chromium OS(Google Chrome OSのオープンソース版の名称)をUSBメモリに入れるために必要なBitTorrentファイルをここ(右クリックで保存)からダウンロードします。

ダウンロードするには『µTorrent』のようなちゃんとしたBitTorrentクライアントが必要です。BitTorrent未経験、という方はこちらのガイドこちらの日本語解説を読んでみてください。

Torrentにはディスクイメージを含むzipファイルとイメージをUSBへ保存するために必要なWindowsツールが含まれています。ちなみにChrome OS USBブートディスクを作成するのに使うプログラムは『Image Writer for Windows』というフリーオープンソースプログラムです。

上記のダウンロードファイルに含まれているので、別途ダウンロードする必要はありません。が、かなり使えるツールなのでぜひ覚えておいて下さい!

■USBへChromium OSをインストール

chrome_os_usb.zipファイルを解凍し、「Win32DiskImager.exe」を起動します。解凍ツールが必要な場合は、IZArcがおすすめです。『Image Writer』を起動する際に下記のようなメッセージが表示されることがありますが、フロッピーディスクを探しているだけなので、ご心配なく。

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『Image Writer』が起動できたら、フォルダアイコンをクリックし「chrome_os.img」ファイルを選択(zipファイルを解凍した場所/Win32DiskImager.exeを立ち上げた場所と同じところにあるはずです)。

091128image-writer-write-image.jpg

続いてUSBドライブをPCに接続します。自動実行機能が有効になっている場合、そのまましばらく待っていてください。ウィンドウがポップアップ表示される場合は全て閉じます。その後、Deviceドロップダウンをクリックし、USBドライブが接続されているドライブを選択。Writeをクリックすると、プログラムがUSBドライブへディスクイメージを書き込み始めます。

■Chromium OSを起動

これでChromium OSを起動させる準備は整いました。USBをパソコンに差し込んだまま再起動をかけ、パソコンが起動する際にブートメニューキーを押します。メニューから USBドライブを選択すると、およそ10秒後にChromium OSログイン画面(この記事のTOP画像)が表示されるはずです。

chronosとpasswordを入力してログイン。ローカルユーザとしてログインすることになります。ログインが成功するとGoogle Chromeブラウザそっくりな画面が表示されます。左上の角にあるChromeスフィアをクリックするとGoogle Accountを使ってログインして下さい、というメッセージと共にGoogle Accountログインページが表示されるので、Google Accountを使ってログインします。

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このページが表示されず、「ページが見つかりません」というメッセージが現れた場合、残念ながら今の時点では使用できません。ネットワークアダプターが認識されなかったことを意味しています。それでも仮想マシンで試してみることは可能です。ログインが成功したなら下記のようなアプリケーションページが表示されるはずです。

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ご覧の通り、全てはCloudとなっています。Appページにあるアプリケーションはウェブページを開くようになっていて、全てがブラウザ上から出来るようになっています。試してみた範囲で判断すると、起動はなかなか早いのですが、ブラウザのスピードは遅めで、あまりスムースには動きません。

電卓やノートパッドは小さなポップウィンドウに正しく起動されますが、アプリ自体は機能しておらず、ウィンドウには何も読み込まれません。To-Doリストアプリも機能しておらず、クリックするとGoogle.comアカウントログインページへ転送されます。ただし、これはGoogleアカウントのログインページとは違うのでGoogle社員でない限りログインできないと思います。コンタクトアプリケーションもGoogle Talkガジェットを立ち上げますが、アプリ自体は動きません。

アプリの上部にもUI under development. Designs are subject to change.と書いてある通り、まだまだ開発中なので、作動しないものはかなり多いです。リンクされたウェブページへ飛ぶだけのものはHotmailをクリックした時にGmailに飛ぶ以外は普通に使えるようです(どうやらGoogleはMicrosoftよりもYahoo!が好き、ということなのでしょうかね?)。

かなり長い手順を経て、得るものが開発中のブラウザだけ、という感じにはなってしまいますが、Google Chrome OSをどうしても今すぐ試してみたい、という方はぜひ試してみて下さい!

How To Run Google Chrome OS From A USB Drive [MakeUseOf]

Adam Pash (原文/まいるす・ゑびす)