図解)若者と高齢者の対立

将来、年金をもらえるのかさえ不安視される若者と、手厚い福祉と年金に守られて暮らす高齢者。

世代対立が取る沙汰されがちですが、現在の議論はこんな感じ↓


しかし高齢者に言わせれば、若い頃は貧乏で当たり前。

「若いくせに仕事が大変だとか言うな。仕事が少々きつくても若けりゃなんとかなるだろうよ」と。

なぜ彼らがそういう意見をもつかというと、彼らが比べているのは“今の自分”と“過去の若かった自分”だから、だよね。

彼らは“今の自分”と“今の若者”を比べているわけではないんです。


図解するとこんな感じ↓ 



上記ふたつをひとつの図上で表すとこんな感じ↓


実は若者だって、将来の“高齢者になった自分”を想定し、今の自分(若者)と将来の自分(高齢者)を比較すれば、「今の方が楽しいはず」と思うでしょ。

だって、今も将来も貧乏で、今も将来も孤独。それなのに今は健康で、将来は不健康なんだから・・


つまり“若者vs.高齢者”という対比でモノを語る場合、何と何を比べているのかが不明確なんだよね。

★★★

たとえば、若者と若者を比べるならこんな感じ↓

この比較なら今の若者の方がいいでしょ?

食べてるものの質も量も圧倒的にマシだし、生活の便利さも比べものにならない。

お見合い1回でよく知らない相手と結婚し、当然のように親と同居。土曜日も含めどんだけの時間働いてたか。しかも日曜日は“会社の運動会”だったりするんだよ、当時の若い人って・・。


でももし、こういう比べ方をするなら↓今の高齢者の方が圧倒的に幸せかも。

これから国は貧しくなって消費税は20%くらいになるかも。なのに将来の若者は年金も満足にもらえない。

きっと治安も悪くなる。今の若者が年をとってからヨボヨボ歩いてると、すぐにひったくりにとかに遭っちゃうんだよ。んで、コケて骨折して寝たきりになっちゃったりね。超ヤな感じの未来でしょ。

★★★

それとも、こう比べたい?


この比較なら若者の方が幸せだと思います。

「全財産投げ出しても20歳に戻りたい」高齢者はそれなりに存在する。

でも「100億円もらえたらいきなり65歳になってもいい!」という20代の人なんていないでしょ。

何が貴重なのか、という意見は若者も高齢者も一致してるんだよね。


というわけで、今日は「何と何を比べてるのか明確にしないと議論がずれまっせ」というのを図解してみました。


そんじゃーね。

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