消費不況で百貨店、スーパーなどが軒並み売り上げを落とすなか、2009年12月期決算で過去最高益の業績をあげた企業がある。それは楽天。なかでもネットショッピングモールの楽天市場が絶好調だ。出店数3万店以上、取り扱い商品5000万点以上を誇る楽天市場はどうやって誕生したのか?知られざる楽天市場の創業時をドラマ化。
1995年一人のエリート銀行マンが会社を辞めた。男の名は三木谷浩史、30歳。1回きりの人生、サラリーマンを続けていることに物足りなさを感じていたのだ。しかしやりたいことが明確に決まっていたわけではない。地ビールのレストラン、パン屋など100にものぼる新事業案から三木谷が選んだのがインターネットショッピングモール。ネットの将来性に賭けたのだ。だが当時ネットショップは大手企業が手がけていたが、成功しているところはなかった。プログラムが煩雑で簡単にネット上に出店できるシステムではなかったのだ。
三木谷はパソコン知識がなくても、扱えるシステム作りを決断。システム作りを任されたのは本城慎之介。当時大学院生で素人同然の本城はシステム作りで悪戦苦闘。本当にオープンまでに完成させることが出来るのか?また全国を回って出店交渉をするも、海のものとも山のものとも分からないベンチャー企業と契約する店は簡単には見つからない。そこで三木谷はある作戦を思いつく。