「はやぶさ」カプセルからガス成分回収 JAXA
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日、地球に13日帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルから内部のガス成分を回収したと発表した。詳細な解析はこれからだが、2005年に着陸した小惑星「イトカワ」のガスが含まれている可能性があるという。46億年前に誕生した太陽系の謎解明に役立つと期待している。
カプセルの開封作業を同日、JAXA相模原キャンパス(相模原市)の施設で始めた。米航空宇宙局(NASA)の研究者の協力も得て進めている。ネジの1本にもイトカワの砂ぼこりが付着している可能性がある。慎重に開封するため、作業完了には1週間程度かかる見込み。
初日は、ふたを静かに開けてガスを回収した。地球にあるガスも混ざっているとみられ、詳しく分析して成分を突き止める。
今後は、砂ぼこりが入っていると期待される容器も実際に目で観察する。イトカワの砂ぼこりかどうかは、電子顕微鏡などを使って結晶の構造などから判断するという。一定の結果が出るのは、早くて8月以降という。
JAXAの川口淳一郎・はやぶさプロジェクトマネージャは「(砂ぼこりなどの)ちりは、(地球のものを含めて)何かしら入っている。イトカワのものか区別するのが重要で、それには時間がかかる」との見通しを明らかにした。